義務をなくし、多くの人が機会を得る社会に Antwayが目指す世界
――まずは、創業の経緯と「つくりおき.jp」のサービスが生まれた経緯をお聞かせください。
小川(Antway) Antwayは2018年11月、代表の前島がひとりで立ち上げた会社です。前島は地方出身者で、閉鎖的なコミュニティに馴染めず苦労した幼少期を過ごしました。しかし、ティーンエイジャーになる頃に上京して、さまざまな機会に出会い、カルチャーショックを受けたそうです。自分自身の可能性が広がった反面、このような機会を得ることができなかったり、生活の中にあるさまざまな義務によってそれを活かすことができなかったりという人は、まだまだたくさんいるはずだ。こうした不平等をなくしたい。そう考えて起業し、現在に至ります。
手作り惣菜のデリバリーサービスというビジネスモデルに行き着いたのは、生活の中にやるべきこと(義務)が多すぎるために、機会損失をしている人がいると気づいたことからです。たとえば、キャリアを積んでもっと成長したいと考えている女性がいたとしても、日本の多くの家庭はいまだに女性の家事負担率が高く、家事をするために家に早く帰らなければならない。休みの日に勉強をしたくても家事に追われ、疲れて手が回らない。子どもが生まれ、育児が始まればなおさら自分のために時間を割くことができないといった不平等は、いまだに女性側に多く存在しています。こうした現状を変えるには、家事の中でもとくに負担が大きい「調理」の義務を軽減する必要があると考え、2019年の夏からテストを開始し、2020年2月に「つくりおき.jp」のサービスが正式スタートしました。現在は、「週3食プラン」と「週5食プラン」のふたつをご用意し、1都3県でサービスを展開しています(※2021年10月現在、東京都は23区と東京市部、千葉・埼玉・神奈川の一部エリアでの提供)。
――小川さんは、いつからどのようなポジションで事業の推進を行っているのでしょうか。
小川 私と代表は学生時代からの知り合いで、Antway創業時から相談などにも乗っていました。「機会の平等を目指す」という思想に共感して、「つくりおき.jp」が始まった2020年2月から業務委託としてジョインし、2020年7月からふたりめのメンバーとして正式入社。以来、マーケティングと人事の責任者を務めています。
私自身、前職は住宅業界でメディア編集職として仕事をしていました。大企業だったこともあり、インパクトある楽しい仕事をさせてもらっていましたが、メディアを使いながらも、もっと手段を選ばずコミュニケーションし、直接お客さまの暮らしを変える力を身につけたいと考えるようになりました。
お惣菜自体はスーパーなどでも購入できますが、手作りの惣菜が毎週自宅に届くというサービスは今までになく、新たなライフスタイルや食文化を作る仕事と言えます。サービスの概要やこうした想いを伝えることだけでなく、毎週の献立やその訴求方法、お客様から寄せられた声にどう返信するか考えるなど、当社には多くの「編集」と言える仕事が存在しています。これまでの経験を活かしながら、集客だけでなくプロダクトやメニューの企画、LP改善、お客様とのコミュニケーションなど、マーケティングを幅広くとらえて事業成長に貢献するほか、オフィス・キッチン含めた人材採用にも携わっている状況です。