こんにちは、PLAY inc. のヨツモトです。
僕はこれまでリアルリテールの領域で仕事を主にしてきたので、デジタル上やEC領域で長年お仕事をされている方々に、経験や知識では遠く及びません。ですが、販売チャネルは変わっても、お客様がいて販売する商品があるという事実は変わらないですし、「お客様に商品を買っていただく」という行為や目的は、リテールもECも同じはずです。だからこそ、リテールセールスの経験と知識を今のECに取り入れ活用することができれば、これから飽和してくるであろうEC店舗の中で頭ひとつ抜けた存在になれるはずだと考えています。
そこで今回は、リテール領域で仕事を経験し、それなりにデジタルを活用することで「リアルとデジタルのつなぎ役」のような現在のポジションを獲得している僕が考える、ECというチャネルでより売上を伸ばす方法をお伝えします。
コロナ自粛期間中に始まったお客様の本格的なデジタル移動
前回の記事でも触れましたが、新型コロナウイルス感染症の流行によるリテールの営業自粛期間中に、買い物先としてECという選択肢を手に入れたお客様が増加しました。自粛こそ明けましたが、今も感染リスクの不安を抱えるお客様は、「ふらっと買い物に行く」というこれまでの生活様式からの変化を強いられることになり、本格的なお客様のデジタル移動が予想以上のスピードで始まっています。つまり、当たり前ですが今までよりもデジタル上に多くのお客様が存在しているということです。これによって、これからのEC業界も大きく変化すると予想されます。
リアルからの集客強化で進化してきたこれまでのEC
今までのECは、集客に力を入れて進化してきたところがほとんどかと思います。アパレル業界全体で見ても、これまでは総売上の10%ほどしかEC売上がありませんでした。多くのECサイトは「実店舗に来るお客様に、いかにデジタルの場に来てもらえるか?」をテーマにしながら進化してきたのではないでしょうか。これまでのECトレンドを見ても、ほとんどが集客にスポットが当たった施策です。
ここで、お客様に商品を購入してもらう際のプロセスを改めて可視化してみましょう。分解してみると、下記のようになります。
集客→提案→クロージング→アフターサービス
この中で、ECがもっとも力を入れていたのが最初に位置する「集客」で、次いで力を入れていたのが、再来訪率を上げていくための「アフターサービス」でした。
前出の通り、これまではお客様にいかにして「リアルからデジタルの場に来てもらうか」という課題に資金も時間も使っていましたが、デジタル上にお客様が増える今後は求められる集客の種類も変わってきます。
たとえば、これまで集客に有利なのはモールへの出店だとされていました。理由はリアルの商業施設と同じく、たくさんのブランドや商品が一気に見られる場所ほどお客様にアクセスされやすいからです。しかし、今後はデジタル上に自然と増えたお客様を「どうやって自店に呼び込むか」という考えかたに変化する必要があります。したがって、求められるウェブマーケティングも今までのトレンドとは異なるものになっていくでしょう。