高額商材を扱うEC事業者待望! 上限30万円の「後払いワイド」登場
ZOZOTOWNの「ツケ払い」でも話題になった、後払い決済。ユーザーはクレジットカードを使わずとも、商品を受け取った後に、コンビニ払いや銀行振込等で支払いができるというサービスである。実物を確認してから購入できるという安心感と、クレジットカードを持っていない・利用したくないという層のニーズに応え、EC市場の成長とともに利用者を増やしている。
一方で後払いの導入にはさまざまな条件があり、それを満たせず導入を見送るEC事業者もいたのも事実。このような課題を解決してくれそうなのが、2019年4月から提供が始まった「後払いワイド」である。
伊藤忠商事のグループ会社であり、ファミマTカードの提供で知られるポケットカード株式会社が、利用上限30万円、分割・リボ払い可能、商材NGなし、未回収リスクなしという、後払い決済を実現した。
画期的なサービスだが、やはり「決済」だけに、詳しい事情を把握しておきたいところ。「後払いワイド」を提供するポケットカードのふたりに詳しく話を聞いた。
――決済サービスを提供する会社は、信用が命かと思います。御社について詳しく教えてください。
当社ポケットカードは、請求時1%オフという業界随一のサービスを提供するP-oneカードを始め、ファミマTカードやZOZOCARDなど、さまざまなクレジットカードを発行しているクレジットカード会社です。2019年4月に、約40年のクレジットカード事業で培ったノウハウを活かし、ECでご利用いただける後払い決済サービス「後払いワイド」の提供を開始しました。
――「後払いワイド」の特徴は? 他の後払い決済とどのように違うのでしょうか。
大きな違いは、利用金額の上限30万円、分割払いやリボ払いに対応、そしてあらゆる商材のEC事業者様にご導入いただけるという点です。後払い決済は、ユーザーの離脱防止とEC事業者様の安定したビジネス運営のため、スピーディーな与信審査と未払いリスクの低減が同時に求められます。従来の後払い決済サービスでは、必要最小限の情報のみでスピーディーな審査を実現する一方、未払いのリスクを低減するため、利用金額やEC事業者の取扱商材に一定の制限を設けており、ユーザー・EC事業者様のニーズに十分応えきれていない部分もありました。
当社の「後払いワイド」では、本人確認書類のアップロードにより本人を特定し、信用情報機関への照会を行っています。一般的な後払いと比較するとご利用に若干のお手間は要しますが、本人確認資料のアップロードと2、3のお客様情報の入力のみで、ご利用金額上限30万円や分割・リボ払いへの対応を実現しています。加えて、導入時にEC事業者様の取り扱う商材によってお断りすることは基本的にありません。またご希望により、ECサイト上で「後払いワイド」をオリジナルの名称でご提供いただくことも可能です。
○○Payでは満たせないニーズにも メールリンク型でスモールスタートから
――すでに導入が決まっているのは、どのようなEC事業者ですか?
家電やブランド品など、従来の後払い決済が導入しにくかった事業者様に喜んでいただいています。高額で換金性の高い商材は敬遠されていたようですが、「後払いワイド」ではそういった条件ではお断りしていません。
また、総合ディスカウント事業やフィットネス事業など、さまざまな事業者様にもご利用いただいています。高額商材に限らず、クレジットカードを持っていない・持っていても利用したくない若年層のユーザーをターゲットにした事業者様にも、適したサービスだと考えています。
――決済サービスの導入ハードルのひとつが、システム開発です。後払いワイドの導入方法や開発期間について教えてください。
連携にはふたつのパターンがあります。ひとつ目がAPI連携です。EC事業者様の環境にもよりますが、開発期間は1~2ヵ月程度を見ていただければと思います。
ふたつ目がメールリンク型での連携で、こちらは開発が不要です。ユーザーは「後払いワイド」を選択された後にメールが送られるので、そのメールに記載のリンクから、後払いワイドにお申込みいただく仕様となります。EC事業者様には手作業でのオペレーションをご負担いただきますが、初期費用もかからないため、気軽に「後払いワイド」をお試しいただくことができます。
なお、より多くの事業者様にご利用いただけるよう、ASPカートなどECプラットフォーム事業者様とも連携の話も同時進行で進めています。
――「後払いワイド」の今後のご展望と、EC事業者にメッセージをお願いします。
EC市場の拡大とともに、後払い決済の利用も伸びていくと考えています。後払いワイドを開発する前に、オンラインショッピングにおける決済手法を調査していたところ、クレジットカードを持っていない・持っていても利用したくないユーザーが一定層いることがわかりました。
オンラインショッピングにおいて、希望する決済手段がなければ購入をあきらめるユーザーが少なくないことは、複数の調査でわかっています。決済はECにおいて脇役ですが、支払い方法の選択肢を広げることは、少なからずコンバージョンアップ、ECサイトの売上に貢献できると思っています。
今話題の「○○Pay」のようなキャッシュレス決済も、その多くはクレジットカードとの連携が必要になるか、連携する口座にその時お金がなければ使えないものです。「後払いワイド」はそうではありません。後払い決済の導入を希望しながら条件面が折り合わなかったEC事業者様はもちろん、これまで後払い決済に興味がなかった事業者様にも、ぜひ一度「後払いワイド」のご説明をさせていただければと考えています。お気軽にお問い合わせください。