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アパレルの常識を覆した戦略で躍進 D2Cブランド「CITERA」の鍵は“マイメンビジネス”にあり

前編
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 アパレルEC関連のさまざまなゲストをお招きし、ビジョナリーホールディングス(メガネスーパーの親会社)でEC・オムニチャネル推進を統括する川添隆さんと対談していただくこのコーナー。第20回は、ヤマト インターナショナルでD2Cブランド「CITERA」を立ち上げた長尾享諭さんが登場です。

身近な仲間の協力で成果が生まれる“マイメンビジネス”がブランドの強み

川添(ビジョナリーホールディングス) 長尾さんはアパレル業界に長く身を置かれていますよね。これまでのご経歴からCITERA設立や現在にいたるまでのお話は、とても興味深いと思っています。

長尾(ヤマト インターナショナル) 学生の頃からファッションビジネスの世界にかかわってきました。ちょうど10年前に自身で経営していた会社を売却したのですが、「従来型のファッションビジネスはもうやりたくないな」と思っていたところ、ご縁があって声をかけられたヤマト インターナショナルにジョインしたのが2015年のことです。

入社後にやったことは、会社の強みや弱みの要素分解です。「強みを活かした会社のプレゼンス向上」を自分のミッションに掲げて、そのために新規事業を3つ立ち上げようと決めました。まずはD2Cブランドのローンチ。当時訪れたニューヨークで「BONOBOS」や「THE APARTMENT by The Line」などのD2Cブランドから刺激を受け、立ち上げたのが「CITERA」です。

CITERA

2016年にヤマト インターナショナルが発表したオンラインファッションレーベル。都市部での短距離移動から、都市間での長距離移動に適した「アクティブ・トランスファー・ウェア」をテーマに展開。スタンダードなスタイルにテクノロジーを用いた素材や機能を持たせ、「活動的に=Active」「移動=Transfer」する都市生活者の「より快適」で「よりスマート」な都市型ライフスタイルをサポートする。販売はオンラインをベースとし、ウェブマーケティングを中心とした展開を行っている。

CITERA公式ウェブサイト

長尾 次に、ふたつの海外ブランドの商標権を買収してリブランディングを行いました。これらの新規事業に共通しているのは、「店舗展開ではなくウェブマーケティングに投資した」という、今までのアパレルの常識ではまず行わない戦略です。オフラインではなく、オンラインでアクセルを踏んで認知度を上げ、ファンを増やすことに注力しました。

2016年のCITERAローンチ時、ブランド背景や展開、対談などの取材記事をコンテンツ化し、Facebook広告を使ってブーストを行ったところ、一気に拡散され、著名なファッションウェブメディアにも取り上げてもらい、ファン化につながりました。同時期に行った3日間限定のショールーミングストアにも約1,000名のお客様に来ていただき、良いスパイラルが生み出せました。無名のブランドがすごいスピードで有名になる体験を通して、売り上げがスケールする瞬発力にも驚きましたが、実績重視のデベロッパー各社からたくさんの出店オファーをいただいたのは予想外の反応でした。

こういう結果が生まれたのも、身近な仲間たちの協力やご縁があったからだと強く思います。D2CやDNVB(Digitally Native Vertical Brand)というビジネスモデルではなく、“マイメンビジネス”であることがCITERAの一番の強みであり、大切にしている部分です。

川添 最近、D2CやDNVBという言葉がひとり歩きしている印象を感じています。経営陣から「D2Cをやれ」とお達しが下る大手アパレル企業もあるみたいですが、現場で正しく理解されないまま進められようとしているので少しヒヤヒヤします。オムニチャネルの時と似ていますね。当事者としてD2Cの流れをどう見られていますか?

長尾 ワードの先走り感はともかく、ECやSNSのようなプラットフォームの発展によって、ファッションのみならず音楽や映像の分野でもその流れになるのは自然な気がします。D2CやDNVBは広い意味でファンビジネスだと私は捉えているので、音楽業界でアーティスト自身がSNSや新たなプラットフォームを活用し、楽曲を売るのと近いのではないでしょうか。ファッション業界の歴史を振り返ってみると、90年代のストリートカルチャーを牽引したブランドは、正にバーティカルブランドだったのではないかと思っています。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。



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