3年目の「オーマイグラス」、今のECをどう見る
――オープンから2年以上が経ちました。状況と今取り組んでいらっしゃることを教えてください。
「ようやく、いちばん最初の『0から1を作る』ところは抜けたかな。はじめの1~2年は、売りかたや仕組みを作っていたんですが、今ようやく、数字を伸ばしていくフェーズに差し掛かってきたんじゃないかと思っています。
ブランドは約270、商品数は約1万6,000種類あって、品揃えはメガネECで圧倒的に1番です。平均単価もECにしては高く、すでに2万円を超えています。ユーザーは30代中盤の男性で、モノにこだわりがある人が中心ですね。それ以外に、お試しや試着サービスができるので、たとえば子育て中の方が、家で便利に買うためにうちを利用しているというケースもあります。
拡散して知ってもらうということと、ある程度セグメントしてマーケティングするというのは、順番があると思うんです。まずはメガネだったら何でも見つかるサイトにするために、圧倒的に数を増やしてきました。そうしないと、どういうユーザーが来てくれるのか、わからないじゃないですか。今はある程度、クラスタ分けできるようになってきたので、僕らがターゲットにしたいセグメントに対して、もっと訴求力を上げていきたいなと思っていますね」
――メガネのECがそもそもチャレンジングだったと思うのですが、いちばん難しいのは?
「メガネの通販も面倒くさいことが多いですが、そもそもベンチャーでECに取り組むところって、あまりないですからね。なぜかというと、商品、集客、物流、ウェブサイト、この4つが全部、すごく高いレベルで実行されていることが重要だからです。商材に思い入れのあるECサイトはたくさんあるのですが、それだけじゃ勝てない。どれが欠けていてもダメなんです。
それが難しいからモールに出店する人が多いと思うんですが、僕たちはサービスを重視する会社なので、自分たちのものは自分たちで作り、自分たちのシステムに載せて、プラットフォーム化していくという考えです。これからのECは、このどちらかに二分化していくんじゃないかな。
ただ、僕らは今ECをやってますけど、あくまでメガネ屋で、デジタルを軸にした戦略を取っているだけなんです。日本人の約6,000万人がメガネをかけていると言われていて、どこにでもある商品ですが、デジタル化が遅れている。そこをデジタル化していくのが僕たちの使命であって、ECはチャネルの1つなんです。これから、流通やものづくり、ブランドの持ちかたもデジタル化していけるんじゃないかと考えています」