Tableau Conferenceが10周年
データビジュアライズのはじめどき
10月9日~12日に、ラスベガスで開催されたイベント「Tableau Conference 2017」に参加したという木田さん。定点観測では、Google Analyticsを中心に話をしてきてくれたが、データビジュアライゼーションツール「Tableau」に関しても、書籍も執筆するほど知見を持っている。
「Tableau Conferenceとは、年に1回開催されるイベントで、今年で10回目になります。Tableau社幹部による基調演説のほか、ユーザーのレベルにあわせたトレーニングや分科会など457ものセッションがありました。日本からの移動も含めると1週間ほど拘束されますし、宿泊費や交通費も含めるとひとり参加するのに50万円ほどかかります。ある程度の投資と言えると思いますが、世界のデータビジュアライズの盛り上がりの一端を知る上で非常に有意義な機会となりました。日本からの参加者は60名ほど。日本の“産業力”に比べると非常に少ない印象です。銃の乱射事件が起きたばかりとはいえ、全世界から1万4,000人もの人が参加していることを考えると、もう少し日本からの参加者が増えてもよいのではないかと感じました。少ないながら日本の参加者の中には名の知れた企業の方も多く、Tableauを企業として利用し続けるべきか、投資すべきツールなのかを確かめるために調査に来たのかなという印象を受けました」
イベントでは、Tableau社のCEOアダム・セリスプキーも講演。木田さんは、「3つの神話の崩壊」というパートが印象的だったと言う。まとめると、以下のとおり。
- AIはアナリストを(置き換えるのではなく)助ける
- データは(アナリストのものでなく)皆のもの
- データでユーザーに力を与えるのが本当のガバナンス
BIツール、Tableauは日本でどんどんユーザーを拡大しているようで、Google Trendsで「ビッグデータ」と「Tableau」を比較してみると、2017年4月にはすでに、「Tableau」が「ビッグデータ」の検索数を上回っている。
「Tableau Conferenceでの熱狂ぶりを見ても、こうしたトレンドを見ても、日本企業もそろそろデータビジュアライズに取り組む時期が来ているのではと思います。しかし、Tableauは年間1ユーザーあたり10万2,000円かかるのでECサイトのいち店長が、『売上分析をしたいのでTableauを買ってください』というのは、なかなか難しいでしょう。そこでTableauの前に入門的に使えるのが、以前の定点観測でも紹介した無料ツールの『GoogleData Studio』です」