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2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

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デジタル変革による「顧客体験の価値向上」が未来のビジネスを作る SAP Hybris Dayレポート

どんな業種業態も例外なし
B2Bチャネルへの施策におけるカスタマーエクスペリエンス向上

 オムニチャネルソリューション「SAP Hybris」は、在庫管理やコンテンツの一元管理等の機能から、B2Bビジネスにおいても有効に活用されている。SAP Hybrisのブライアン・ディール氏が登壇し、今、B2Bビジネスに求められている変化、それを踏まえたSAP Hybrisの有効な機能、そして企業の活用事例などを語った。

SAP Hybris インダストリープリンシパル ブライアン・ディール氏

 まずディール氏は、「B2B顧客は、初回のセールスコールの際に57%の購買プロセスを完了している」という数字を提示した。つまり、企業として何か購入しようとする際、その担当者は、最初の電話をかける以前に、ネットで情報を調べるなどして購買プロセスの半分以上を終えているということ。セールス担当者がその電話を受けて、自社のサービスについての説明を始めたとしても、顧客のほうが他社のサービスも含めてよく知っているといったことも起きているのだ。

 一方で、「50%の企業が販売、サービス、カスタマーデータへのモバイルアクセスを提供している」という数字も。見方を変えれば、残り50%の企業はいまだ、モバイル未対応なのだ。

 「テクノロジーは若者のもの、対応すべき企業はB2Cビジネスだと思われているかもしれませんが、どの年代であっても、B2Bであっても状況は同じです。企業がより、顧客とつながろうとしている今、本当の意味でのデジタルトランスフォーメーションをしていかなければなりません」

 ここで改めてディール氏は、カスタマーエンゲージメントを向上する3つの方法を挙げた。「顧客中心」「オペレーションの効率化と迅速化」「成長と革新」である。「これは私が以前、メーカーで働いていた時から言われていること。デジタルの登場によって、新たな重点分野ができたわけではありません」

カスタマーエンゲージメントを向上するための方法(1)顧客中心

 B2Bにおける、デジタルトランスフォーメーション。具体的な手法は企業によって異なるが、顧客視点で正しいことをし、小さなことを少しずつ改善していくことが重要だとディール氏は言う。共通するのは、これからはデジタルネイティブなミレニアル世代が、B2Bにおいても顧客となっていくこと。

 「デジタルネイティブはテキストやチャットでコミュニケーションし、ソーシャルメディアを通じて情報を得ています。B2Bでは、顧客に見つけてもらえなければ購入してもらえるはずがない。従来のやりかたに安住していてはいけないのです」

 SAP Hybrisの採用により、こうした顧客中心のデジタルトランスフォーメーションに成功した例として、電話中心の販売からコンテンツ豊富なウェブサイトにリニューアルし、インバウンドマーケティングに変えた「LIFTMASTER」、こちらも電話対応が中心だったところ、データを整備し、3D印刷を取り入れることで、数日でさまざまな企業の緊急対応パーツを用意できるようにした「KRONES」を紹介した。

カスタマーエンゲージメントを向上するための方法(2)オペレーションの効率化と迅速化

 オペレーションの効率化と迅速化のためには、社内外の課題を見つけ、それをwin-winな形で改善していく必要がある、とディール氏。ケビン・ハリントンの言葉を借りれば、「顧客は非効率的なシステムを見るとすぐにわかってしまいます」。それによりブランド価値が下がり、顧客が去ってしまうことにもつながる。

 オペレーションの重要ポイントとなるのは、「リサーチ」「購入」「カスタマーサポート」の3つだ。リサーチにおいては、豊富で品質の高い製品コンテンツは必須であるし、購入の段階では価格、プロセス、ポリシーにおける一貫性が求められる。カスタマーサポートにおいては、顧客は単一ビューのセルフサービスとOEMを期待している。いずれのポイントにおいても、その時々、変化し続ける顧客にとって、もっともよいチャネルを選択し、活用する必要があるのは共通していることだ。

 SAP Hybrisの採用により、オペレーションの効率化と迅速化に成功した事例として、処方箋レンズのデータ管理、変更用パーツ、返品対応などに活用した「MAUI JIM」、タイヤなど車のパーツの在庫を可視化した「DPASCHOAL」、そしてオンラインセールスを追加することで既存顧客からの売上が34%アップした「PHILIPS」を紹介した。

カスタマーエンゲージメントを向上するための方法(3)成長と革新

 イノベーションを説明するにあたりディール氏は、「HUBBLE」という、サブスクリプション型の新しいビジネスモデルでコンタクトレンズを販売する企業の例をあげた。「常にオペレーションを見直しながら、HUBBLEのような新興企業に対抗できるようにしなくてはならない」と警鐘を鳴らしつつ、一方で、既存ビジネスにしかない資産の中から新しいビジネスが生まれる可能性も示唆した。

 SAP Hybrisの採用により、成長と革新に成功した例として、B2Bにおいてもソフトウェアをダウンロード形式で販売するモデルを取り入れた「ROCKWELL」、サイトリニューアルでコンテンツを拡充し、セルフサービス機能を強化して顧客購買単価を向上した「ARAMARK」を紹介した。

 カスタマーエンゲージメントを向上するための方法として、「顧客中心」「オペレーションの効率化と迅速化」「成長と革新」について見てきたが、これはどの部門においても共通の課題であり、SAP Hybrisなら支援可能だとディール氏。

 また、ITサービスを提供する企業として、これらのプロセスを簡素化し、企業がアウトバウンドのコミュニケーションに時間を割けるよう、プロダクトを改善していきたいと述べ、講演を終えた。

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三陽商会の進めるコミュニケーション戦略とは? オムニチャネルのさらに先へ デジタルショッピングの潮流と近未来

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