百貨店の「消化仕入方式」と類似 ロコンドのビジネスモデルとは
ロコンドは靴の通販サイト「LOCONDO.jp」でスタート。その後、バッグやアパレルなど取扱商品を拡大。依存率は徐々に低くなりつつあるものの、商品取扱高のおよそ8割は、自社運営サイトのこのLOCONDO.jpによる。そのほか、楽天市場やYahoo!ショッピングには「LOCOMALL」を出店。
取扱商品の仕入形態は、主に受託型である。各ブランドがLOCONDO.jpにテナント方式で出店し、出店後の運営管理をロコンドが担当するというものだ。
同社は物流倉庫も備えており、各ブランドの商品を受託在庫として預かり、出荷販売する「受託販売方式」がビジネスの基本である。各ブランドの倉庫にしかない商品の販売についても、ロコンドの物流拠点に取り寄せ販売する方式を採用している。
ロコンドのビジネスは、百貨店の「消化仕入方式」と類似といっていいだろう。在庫リスクの負担はブランド店側にあり、ユーザーからの返品があった場合も、その商品は各ブランド店に返品となる。
ロコンドが各ブランドから商品を直接仕入れる「買取型」もあるにはあるが、LOCONDO.jpでいえば受託型は90%に迫る。つまり、ネットを経由して販売された商品につき出店ブランド店から手数料を得る、というのがロコンドのビジネスの根幹だ。
出店ブランド数は1,800弱。会員総数は110万人超。購入者の実績ベースでは、1人当たり年間1万7,000円弱の買物をしているとしているというのがロコンドの発表だが、受託販売方式のネット通販そのものは珍しくなくなった。「送料無料」も半ば常態化しつつあり、集客効果は薄れつつあるといっていいだろう。
ロコンドが他社との差別化として大きくアピールしているのは、「自宅で試着、気軽に返品」ということ。
販売の中心が靴だけに、試してみないと購入の判断がつかないという客層を取り込もうということ。送料・サイズ交換無料に加え、条件はつくが返品送料の無料化も導入済みである。
前述したように、返品商品は各ブランド店に返品となるのが基本だが、返品送料負担ゼロは、購入希望者への大きなアピールになることはいうまでもないだろう。