テーマパークなどでよく見かけるスタンプラリー。そのスタンプが、スマホにも押せる「デジタルスタンプ」の存在をご存じでしたか? それも、電源やBluetoothなどの近距離無線通信技術がなくても押せるタイプもあるようです。今回は、デジタルスタンプサービス「PlusZone/Stamp」を提供する、IMJの中條さんにお話をお聞きしました。
スマホに押すデジタルスタンプ、電源やWi-Fiがなくても押せるものも
森野(運営堂) IMJさんが提供されているような、スマホにスタンプが押せるサービスの正式名称は「デジタルスタンプ」でいいのでしょうか。
中條(IMJ) そうですね。IMJでは、この名称がお客様にわかりやすいのではないかと感じ、使用しています。「PlusZone/stamp」をIMJが正式に提供開始したのは、2016年7月からです。PlusZone/stampに限らず、他のデジタルスタンプも2014~2015年で商用化されていることが多いようです。
森野(運営堂) けっこう歴史は長いんですね。にもかかわらず、あまり見かけることがないです。
中條(IMJ) スタンプにスタンプラリーなどの企画が紐着いているので、使われてはいるかもしれないけれど、目立ちにくいという特性があると思うんですね。ユーザーはスタンプ押印だけではなく、企画そのものを楽しんでいるので、その中のツールのひとつとして溶け込んでいます。ですから、デジタルスタンプの押印がメインの企画という感じではないのでは?と思っています。
森野(運営堂) 確かにそうですね。実際に使ったことはあるけれど、それがデジタルスタンプだと気づいていないだけかもしれない。
中條(IMJ) 電鉄系の企業のスタンプラリーでも使われていますし、PlusZone/Stampの活用事例としては三井不動産商業マネジメント様、ファミリーマート様(四国限定)などがあります。
ソフトバンク様では、「スポナビライブ」という動画配信アプリが出ていて、ホークス戦でのビール1杯無料クーポン引換券の消し込みとして使われています。オンラインでクーポンを配信しても、誰が、いつ利用したのかがあまりクリアになっていないケースが多いんです。この消込機能を利用すれば、それが把握できるようになります。
そういう意味では、単純なスタンプというよりは、サービスの中にスタンプの楽しさを採り入れながら、デジタルデータを取得できる機能を組み込んでいるという感じですね。
森野(運営堂) 事前に競合のツールも調べてみたのですが、ほぼ一緒に見えます。どこか違いがあるのでしょうか?
中條(IMJ) スタンプ押印の認証の方式が各社で異なります。PlusZone/Stampの場合は、静電マルチタッチ技術を用いて、スマホの上の静電気を吸い取る形を採っているので、ブラウザに直接押印することができます。スタンプ筐体そのものの充電に、Bluetoothも、GPSも必要ないのが特徴です。
Bluetoothによる通信で押印認証しているデジタルスタンプの場合、スマートフォン側に対応するアプリがダウンロードされていないと通信することができないため、既存アプリに組み込んだり、新規でアプリを制作する必要があります。
また、ID数が多いのも特徴です。500万とおりのIDがあるので、多店舗にスタンプを設置する場合もユニークなIDを割り振って使うことができます。ユニークなIDが割り振られていると、リアルタイムで押印状況を見るときや、データ分析をする時に便利です。
さらに、スタンプ筐体の認証部分は外側からでは仕組みが見えないように作られているため、偽造しにくいという点もあります。
森野(運営堂) ポイントカードとかだと偽造がありますので、これはいいですね。
中條(IMJ) もうひとつの特徴は、このスタンプ筐体は「押した」感があるので子どもに大人気だということです。
森野(運営堂) 子どもはボタン好きで、見つければ必ずカチャカチャやるものですからね。また、年配の人も、物理的に押せないとダメだと思います(笑)。デジタルスタンプといっても、こうしたアナログの良さが残っているのはよいですね。