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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECホットトピックス

取り扱い商品「常時50万」点! ファッションリユースのベクトルが進めるデータ活用とは


 ベクトルは、商品買取のための実店舗を全国に90以上構える、ファッションリユース企業だ。買い取った商品のほとんどはオンラインで販売するため、同社のECサイト上には、常時50万点もの商品が並んでいるという。今回は、同社の代表取締役社長である村川智博氏にインタビューを行い、リユース業界の潮流やメルカリなどによるCtoC市場拡大による影響について、また膨大なアイテムの管理法やデータの活用法について語っていただいた。

顧客の目が肥えてきたため、サービスの質を上げなければ売れない

――オンラインリユース業界の、最近の状況はいかがでしょうか?

 これはリユース業界に限った話でないかもしれませんが、ここ数年顧客の目が肥えてきたと感じます。以前は、商品さえ良ければ売れていました。商品撮影や梱包など、適当にと言うと語弊がありますが、普通やっていれば十分だった。最近は、梱包一つをとっても、プロとしての仕事が要求されているんです。

 商品撮影もそうで、たとえば同じ商品でも、写真やサイトの見せ方などが「顧客に選ばれるカタチ」になっているかどうかが、重要になっています。顧客が購入先のショップを選ぶようになってきたため、サービスの質を上げなければ購入していただけないんですね。

株式会社ベクトル 代表取締役社長 村川智博氏

――リユース業界への参入企業が増えた影響でしょうか。

 企業はもちろんですが、顧客はメルカリなどのCtoCとも比較しています。比較対象が増えたことで、以前と同じように出品するだけでは売れなくなっている、ということです。ただしこれはリユースが飽和したということではなく、全体的にプロ化した結果だと思っています。

――その顧客からの高い要望に、御社はどのように応えているのですか?

 当社は、全国にある実店舗で商品を買い取り、その店舗で撮影や商品説明文の作成を行い出品する形式を取っています。顧客の要望に応えられていない、クオリティの低い商品情報しか提供できていない場合は、商品回転率が悪いことが店舗ごとにきちんとデータで出るので、それをもとにクオリティを管理しています。とはいえ、クオリティチェックの部分ではまだまだできることがあると思っています。

本社のある岡山県を中心に、全国に実店舗を構える

メルカリがリユース業界に与えた影響とは

――メルカリの登場など、CtoCリユース市場の活性化によって受けた影響はありましたか?

 実はよく聞かれるのですが、あまりないと思っています。あまりというか、ほぼありません。それどころか、もしかすると我々にとっては追い風ではないか、と思っています。

 昔、ヤフオク!は個人間で取引するのが面倒で、偽物かどうかがわからないという理由で、楽天市場が流行りました。楽天市場はショップ制だから安心だと。それを受けて、ヤフオク!にもストアができたり、Yahoo!ショッピングができたりした。結局ヤフーや楽天のおかげで、リユース市場自体が広がったんです。

 そこに今度はメルカリが出てきました。メルカリの提供するサービスが、個人からリユース商品を買いたいが危険がある、と思っている層にハマったんですね。ただし彼らも、商品が飽和して売れなかったり面倒だったりといった、以前のヤフオク!と同じ問題を抱えています。彼らがリユース市場自体を広げてくれれば、当社のようなCtoBtoC企業にはチャンスがあると思います。伸びている市場で、あとはどれだけパイを取れるか。そこに需要はあると思っています。

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ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

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