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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

人工知能×ECことはじめ

ECはプロダクト訴求へ 人工知能を理解するために「協調フィルタリング」「集合知」をおさらい  


「人工知能」が流行っていますが、ぶっちゃけたところ、ECやマーケティングにどう使えるのでしょうか。テクノロジー×マーケティングに造詣が深い、ゼロスタート・山崎さんに噛み砕いて解説してもらいます。第2回は、ECがマーチャント訴求からプロダクト訴求に変わっているからこそ求められる、人工知能の「購買予測」。その仕組みをおさらいします。

ECはプロダクト訴求へ テクノロジーも変わる

 マーケティングに活用できる人工知能には、何があるかについて紹介していきます。

 まず大前提として、マーケティングとは何かについて考えてみます。元々の定義とかいろいろな見方はあるかと思いますが、ECzineを見る人はECへの興味関心が高いと思いますのでECのマーケティングという切り口でいうと、結局「消費者に購買をしてもらうための活動」と言ってよいでしょう。

 さてECとして考えた場合、以前は「ECサイトに来てもらうための活動=集客」「ECサイトに来てもらった後の活動=コンバージョン」という2つは、わりと明確に分かれていたと思います。そして特に、マーケティングというと集客寄りというイメージだったのではないでしょうか。

 代表的なものがアドテクだと思います。アドテクはマーケティングのひとつということに違和感がある人はあまりいないでしょう。 もう少し前に遡ると、SEOなどもマーケティングというジャンルの代表格でした。

 さてECが普及するにつれて、ECサイトの外と中という垣根は消えつつあります。まだこの垣根が消えつつあるという変化はあまり認識されていませんが、トレンド(傾向)としては確実です。

 そもそも集客において、マーチャント自体を訴求するのではなく、プロダクトを訴求するようになってきているので、これは当然の流れであるといえます。

 まず集客し、サイトの中で何を買ってもらうかを訴求するのではなく、何を買ってもらうかをサイトの外で訴求するのであれば、サイトに訪問する目的は決済だけです。

 人工知能と関係ない内容にも見えますが、何が言いたいかというと、これからのECにおけるマーケティングというのは、マーチャントではなくプロダクトベースになっていく(なっていっている)ということ、そして求められるテクノロジーもそれに沿ったものになるということです。

 そしてこれこそが、人工知能がECにおいて期待される大きな理由のひとつなのです。

人工知能に期待、「誰に」「何を」「いつ」訴求すべきか

 マーケティングがマーチャントの訴求であれば、そこにあまりテクノロジーの出番はありません。 マーチャントの訴求というのは、要はお店自体をアピールするということです。

 たとえばAmazonというECサイトそのものをアピールするのであれば、そこで必要なのは、たとえば配送が早いとか、セキュアだとか、全体的に値引きの割合が高いことが多いとか、返品がしやすいとかそういった点でしょう。

 このあたりをアピールするためには、人工知能というのは出番はありません。アピールする要因自体を構成するために、人工知能が活用されることはありますが。上記の例で言うと配送を早くするために出荷予測を人工知能を活用して行う、というのはすでに行われています。

 ただ、これはマーケティングではありません。強いて言えばブランディングです。

 ECサイトのマーケティングの大部分は、プロダクト自体を訴求するという取り組みです。

 つまり、「誰に」「何を」「いつ」訴求すると購買に結びつくのか、がECサイトのマーケティングです。 こうした予測には、人工知能というのは有用なため、これだけ注目されているといえます。

 さらっと「予測」と書いてしまいましたが、これこそがマーケティングに人工知能を活用する核心です。 もっと言うと「行動予測」であり「購買予測」です。

 ですので、この連載のテーマにある「人工知能xEC」という観点で考えるときは、購買予測にどう人工知能を活用するか、と考えればほぼ間違いありません。

 さて、どうすれば購買予測をすることができるか、そしてそこに人工知能を活用できるのでしょうか。

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この記事の著者

ZETA株式会社 代表取締役社長 山崎徳之(ヤマザキ ノリユキ)

プロバイダ及びデータセンターにおいてネットワーク・サーバエンジニアを経て2006年にZETA株式会社を設立、代表取締役に就任(現任)。ECソリューション「ZETA CX」シリーズとしてサイト内検索エンジンやレ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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