職人技を仕組み化し、進化を止めない、長く続くECへ
増渕(日本マイクロソフト) デジタルデバイドという言葉がありますが、EC・小売業界の中で、自社や市場のデータをつかんでいるところと、つかんでいないところでは、有利・不利がはっきりしてくると思います。オークファンさんの動きを見ていると、それはもう確実に進んでいますよね。
一方でオークファンさんは、ベンダーとしてツールを提供することで、EC・小売業界のほかの企業さんをサポートしようともされている。プラットフォーマーとして、世の中を良くしていくことを、マイクロソフトと一緒にやっていけそうですよね。デジタルデバイドが進むにしても、リテラシーが高い側の割合を増やしたいじゃないですか。偏ったプラミッドではなくて、中間層がどんどん上に上がってこられるようにしたい。
得上(オークファン) 町の八百屋さんもITをやらないとダメかというと、必ずしもそういうわけではないのですが、やはりECをやるならITは必然になってきますよね。アメリカの有名なEC企業も、結局、クラウドベンダーになっていますし。
増渕 ECが流行っているからECをやるのではなくて、たとえば流通のこの部分にギャップがあるから、それを埋めるためにECをやるんだという発想だと、クラウドをうまく使ったりできるんでしょうね。自由に使える時代になったのだから、バックオフィスばかり自由にしていないで、価格や仕入れも自由にしたらいいんですよ。
得上 今のECは、仕入れにしても販売にしても、職人技がはびこっていると思うんです。職人技は悪いことではないし、すばらしいことなんですけれど、その人がいなくなったら企業活動が止まってしまうという状況はよくない。
そうした職人芸は、機械学習を取り入れたり、データドリブンにしていくことによって、破壊し、仕組みにしていくことができます。そしてその仕組みも、作って終わりではなく、継続してアップデートしていかないと、長く続くECにはならないのかなと。
アップデートを止めてしまうと、流れている時代についていけなくなり、どんどん衰退していってしまう。それはもったいないので、なるべく職人技ではなく、ロジカルに組まれていることが大事だと思います。
増渕 オークファンさんが取り組んでいるサービスに期待が高まりますね。それがリリースされる前の準備として、今、始めておくべきことはありますか?
得上 今、やっておいてほしいのはBIですね。Excelでもいいので、データを見る習慣をつけてほしいです。機械学習をやるためじゃなく、ロジカルにECを続けていくために。
増渕 そうですね、機械学習を使うこと自体が目的ではないですから。たとえば、月末のレポートを見る習慣ができてくると、来月の数字を予測したいという、内なるニーズが出てくるはずです。そういった発想が、機械学習を使うネタになるんですよね。
ECのためにしっかり数字と向き合うと、もっと自由にデータを扱いたいという作業的なストレスを覚え始める。それを解決したいなと思ったら、そこからがクラウドの本領発揮です。
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