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[対談]とがった「のれん型」アパレルECの楽しさについて、ファクトリエ・山田敏夫さんと話す

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アパレルEC関連のさまざまなゲストをお招きし、メガネスーパーでECを統括する川添隆さんと対談していただくこのコーナー。記念すべき第1回は、「ファクトリエ」を運営するライフスタイルアクセント代表・山田敏夫さんにご登場いただきました。

アパレルECもコツコツ地味に、掃除とか意外と大事

川添 山田さんにはじめてお会いしたのは、テレビで見て「この人はすごい」と思って、知人に紹介してもらったのがきっかけです。ECを超えて、ファッションに携わる人間として、ファクトリエがやろうとしていることは共感できるし、何より、山田さんが本気なのが伝わってきました。

山田 僕の川添さんへの印象は、「ECの積み上げ」をすごくよくご存じの方だなと。ECでは、「このツールを入れたらどかんとなる」はなくて、1つひとつの改善がすごく大事。チームで役割分担して、全員が自分の役割をきちんとやるとか、昨日よりは今日、今日よりは明日もっと良くするためにコツコツと改善するといったこと。それを続けると、最終的に全部良くなる。それを実行して、結果を出して、自信を持っているんだなと感じました。

それって実はECに限らず、全部に共通すること。僕も工場を見るときはそういう視点で見ます。変わらなきゃいけないという意識を持っている工場では、「革新」のような単語がよく出てくるのですが、それよりもトイレのスリッパを整頓したり、週1回みんなでミシンの掃除をする日を決めたりといった改善のほうが効果がある。地味で誰も見ていないところから、逃げずにちゃんと取り組むということですよね。

川添 社長が本社や店舗の社員30~50人を率いて全国の店舗を回りながら店舗を作りこんでいく「キャラバン」という取り組みがあるんですが、僕もできるだけ参加するようにしています。そうすると、意識が高い店舗は、クリンネスなんかも行き届いているといったことがわかりますね。

山田 それはすごいですね。ECのチームなのに行くんですか?

川添 やっぱり、実店舗がメインのビジネスですからね。会社全体として伸ばしていくことを考えたら、今ECだけでできることは限られる。実際に、現地に行くとわかることがたくさんあるんですよね。集客1つとっても、都内は恵まれているなと感じるし、駅前でもまったく人を見かけない地域もあったり。「なるほど~」と思いますよ。それを知らずに、ECチームが「オムニチャネル」と叫んでも微妙ですよねぇ。

山田 駅前に人がいなくても成り立つんですか? 地方の工場もそうですけれど、僕、そういうお店がすごく気になっていて。

川添 成り立つんですよね。そういった地域は家賃が異常に安いといった背景がありますけれど、メガネは粗利率が高く、メガネスーパーではきちんと検査をして、付加価値で勝負していますから。

山田 SPAで作っているから粗利率が高いんですか? 仕入れ商品もありますよね。

ライフスタイルアクセント代表・山田敏夫さん。1982年熊本生まれ、家業は老舗婦人服店を営む。大学時代にグッチ・パリ店にて修行。2012年に起業し、メイドインジャパンのアパレル工場直結ブランド「ファクトリエ」を開始。

川添 仕入れているものもありますが、アパレルと比較するとメガネは高いと思います。古くからの商習慣もあるでしょうけど……。ファッション系のモールに出店すると、だいたい横並びで掛率が決まってますよね。運用代行までやってくれるところもありますけれど、自社ECに取り組み始めると、モールは固定の販売手数料を支払うだけの取り組みをしているのか、曖昧なところもあるなと感じていました。

本当に良い運用をするには、さきほど山田さんが言ってくれたみたいに、細かいことを地道に突き詰めてやらないといけないでしょう。外部にいて、本当に僕らと同じくらい真剣にそれができるんですかと。だからこそ今、アパレルでも自社ECの流れが生まれていて、一部の本気でやりたい人が少しずつですけれど出てきていて、これはすごく真っ当な流れだなと感じています。

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