「稼ぐ」サイト内検索エンジンでライバルに差をつける
オムチャネルでリードする「カメラのキタムラ」では、コールセンターに実店舗の元店長・店員を配置していると、EC事業部長の逸見光次郎さんに伺いました。お客様以上にマニアな元店長らが、嬉々として答え、受注しているわけです。コストセンターでしかなかったコールセンターを、プロフィットセンターに変革させたと言えるでしょう。
この成功事例が目から鱗なら、サイト内検索も全く同じです。検索エンジンをコストとして考えるのではなく、売上と利益を稼ぎ出すエンジンとして捉えてください。「優秀な店員」なら、必ず稼ぎます。
稼ぐ検索エンジンにするには(1) 学習する検索エンジンを採用せよ
家電量販店のECサイトで、「iPhone」で検索したにもかかわらず、「アクセサリーばかりが上位に表示される」とは、昔からよく聞く例ですね。実店舗で新入社員が、「iPhone」が欲しいと言っているのに「iPhoneケース」をご案内したらどうでしょう。勉強が必要ですね。
iPhoneで検索したA社の表示は、スマホアクセサリーばかり
検索エンジンも同じです。はじめから完璧な検索エンジンはなく、学習させていくものです。例えば、ある検索フレーズに対して、商品Aと商品Bが表示し、どちらのCTRが高いかを計測し、より高いものを上位表示する。そのA/Bテストの繰り返しが、ITシステムの中で行われています。
iPhoneで検索したB社の表示は、iPhoneがしっかりと上位に
技術的な話をすれば、SLI Systems社の「Learning Search」では、こういった概念を特許技術として実装し、CTRや売上の向上に大きな改善をもたらしています。
※本コラムでは、検索の精度についてわかりやすくするため、上記を例示しました。現実では、家電量販店において、iPhoneは店頭販売がキホンです。それを踏まえると、「iPhone」のサイト内検索結果の最適な表示は、ネットショップ内に閉じるか、実店舗へ誘導するかオムニチャネル戦略で考える必要があります。
稼ぐ検索エンジンにするには(2) レコメンドと連携でパーソナライゼーション
学習の次の課題は、パーソナライゼーションです。単なるリピーターからもう一段上のロイヤルカスタマーに引き上げるには、「お馴染み」のコミュニケーションが必要です。
ECサイト内検索では、レコメンド・エンジンと連携させることで実現できます。ただし、現状は、検索エンジンとレコメンド・エンジンが異なるベンダーから提供されたり、同じベンダーでも商品データの共有くらいしかできていません。今後のベンダー側の改善に期待しましょう。