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【オンライン】ECzine Day 2026 February (2026.02.13)

ECビジネス・スタンダードの再定義

ECビジネスのスタンダードを揃え直す―HOWの議論を卒業するために、もう一度「前提」の話をしよう

ECの議論は、HOW(手段)に偏りすぎている

 もう一つECビジネスに身を置く中で思うことがあります。それは、セミナーやイベントにおける議論の中心がHOWに偏っていることです。

 ECはテクノロジーと共に成長してきた領域です。新しいモールやプラットフォーム、テクノロジー、ツール。それらをいち早く使いこなすこと自体が、競争優位になっていました。

 だからHOWが主役になるのは、自然な流れだったと思います。私自身、HOWの積み重ねで実績を作ってきた側面もあるので、HOWの議論自体を否定するつもりはありません。

 ただ、市場が成熟してきている今、同じHOWを続けても差がつきにくくなっていると感じています。進む方向が定まらないままHOWを積み上げるのは、行き先を決めずに、乗り物だけを高性能にしているようなものです。

 これからは、HOWの手前にある「進む方向やゴール(WHY・WHO・WHAT)」についての議論を中心にしていくべきだと思っています。

AI時代に、人間が決めるべきこと

 生成AIの進化によって、思考・実行コストは限りなく少なくなっていきます。この流れは、今後さらに加速するでしょう。

 たとえば、「広告文の作成」「改善案の洗い出し」「CS対応の一次受け」といった業務は、すでに「考える前に、まずAIに聞く」という行動が現場に浸透しています。その行為は効率化を実現する一方で、落とし穴も潜んでいます。

 進む方向が曖昧なままAIを使えば、AIは猛スピードで「それっぽい正解」を量産します。そして、意思決定を間違えれば、誤った方向へ最適化し始めます。

 だからこそ、人間がやるべきことは明確です。「なぜやるか=WHY」「誰に何を届けるか=WHO・WHAT」を決めることです。

 これらが定義されていれば、AIは強力な味方になりますが、定義を誤れば味方どころかECビジネスの成長を鈍化させる敵になってしまいます。

ECの共通言語(OS)を整理する

 この連載では、ECビジネスのスタンダードを、一つずつ言葉にしていきたいと思います。

 KPI設計、LTV、CPA、集客、UX、CRM、組織、フルフィルメント。どれも目新しいテーマではありません。しかし、今まで曖昧に使われてきたこれらの言葉を再定義し、事業者も支援会社も、同じテーブルで建設的に話すための「共通言語(OS)」を作りたいと考えています。

 次回は、まず全体像となる「ECビジネスのKPIについて」解説します。なんとなく使っているKPIや専門用語の解像度を上げるためのポイントを明らかにします。

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この記事の著者

兒嶋 仁視(コジマ ヒトミ)

PALA株式会社 代表取締役 大手日用品メーカーにて、健康食品・化粧品のEC事業を統括。その後、クラフトチョコレートブランドにてEC責任者を務め、2025年7月にPALA株式会社を設立。 現在は、D2Cブランド、大手日用品、アパレルブランドなど、複数の企業のECやブランド立ち上げを支援中。事業戦略か...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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