楽天のAI活用機能には注目
現在、楽天では出店者向けの業務改善・効率化を目的としたAI導入が強力に推進されている。2024年に開催されたイベント名称が「Rakuten AI Optimism」へと変更されたことからも、その本気度がうかがえる。活用領域は、AI×画像生成、AI×カスタマーサポートなどあらゆる領域に広がっている。
たとえば、楽天の厳格なサムネイル規定(白背景必須など)に対応するための背景画像生成機能や、顧客からの問い合わせに自動応答するチャット機能などが実装されている。特に「カスタマー対応をAIで自動化するのは、工数削減の観点からおすすめできる」という。
一方で、広告審査にもAIが導入されたものの、現状では逆に審査期間が長引くケースも見られるなど過渡期にあるが、業務効率化のツールとしてAI活用は避けて通れない道となりつつある。
社会的不安から一部カテゴリの人気商品に変化
2025年の市場環境を象徴するトピックとして、米の物価高騰などによる社会的な不安が高まったことが挙げられる。この影響は楽天市場のランキングにも及んでいる。たとえば、備蓄米の需要急増により、これまでマスクやコンタクトレンズが上位を占めていた総合ランキングやデイリーランキングの1位〜3位が、常に「米」で占められる状況が続いていた。
これにより、当時「食品カテゴリの店舗はこの状況を打破してランキング上位に入るのは難しい状況」だったと田部井氏は解説する。しかし、このようなトレンドを逆手に取る動きも有効である。たとえば、ある浄水器を扱うクライアントでは、米と相性の良い商材として「お米がおいしく炊ける水」といった訴求を行い、関連商品として売上を伸ばした事例がある。
単に嘆くのではなく、「売れているものに合わせた商品展開や見せ方を工夫することが必要」である。そのためには、"今、市場内では何が売れているのか?"を把握し、このトレンドをうまく活用することが重要である。
