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【リアル×オンラインのハイブリッド開催】ECzine Day 2025 October (2025.10.9)

ECzine Day 2025 October レポート(AD)

EC年商10億超え20社のKPI実データが示す、経営貢献度が高い打ち手とは?事例含め解説

売上相関から読み解く重要KPIと攻略の定石

 EC年商10億円以上を目指す上で、どの数値を追うべきなのか。W2の調査では、各指標と売上の相関関係も明らかになっている。その結果、最も強い相関を示したのは「メルマガ会員数(0.89)」であり、次いで「会員数(0.85)」であった。これは、年間購入完了数(0.77)よりも高い数値であり、会員基盤の厚さが売上規模に直結していることを如実に物語っている。

 この結果から、会員数の向上はEC売上向上における最重要課題の一つといえる。会員を増やすためには、登録フォームの入力項目を減らす、ソーシャルログインを導入するなど、登録前の利便性を高めることが不可欠だ。

 さらに登録後においても、顧客にとってメリットのある情報や体験を提供し続けることが求められる。鴨下氏も「登録者を囲い込む、つまり顧客体験の最適化を促していくことが重要なポイント」と述べている。

 次に、購入回数と購入数量に関するデータを見てみよう。一般的にECでは「リピート購入」が重要視されるが、今回の調査では意外な事実が判明した。購入回数が2回以上のユーザーの割合、つまりリピート率は、実は年商1億~5億円未満の企業の方がやや高い傾向にあったのだ。これに対し、年商10億円以上の企業が圧倒的に上回っていたのは「購入数量」である。

 年商10億円以上の企業は、1回の注文あたりの購入数量が1~5億円未満の企業の約7~8倍にも達している。さらに平均購入単価も約1.3倍高い。これは、一度の購買機会でいかに多くの商品、あるいは高単価な商品を買ってもらえるかが、売上拡大の鍵であることを示している。鴨下氏はこの結果を受け、「1対5の法則とは反対の結果がデータとして出ている」とした上で、「圧倒的な母数となる新規顧客の獲得に積極的に攻める姿勢が重要」と分析する。

 リピート率に関しては、年商10億円以上の企業でも約30%程度を維持している。これは、新規獲得に攻めの姿勢を見せつつも、既存顧客をないがしろにしているわけではないことを意味する。新規顧客を大量に獲得し、そのうちの一定数を確実にリピーターへと育成しつつ、クロスセルやアップセルによって1回あたりのLTV(顧客生涯価値)を最大化する戦略が有効であるといえるだろう。

 一方、平均購入率(CVR)については、両者の間に大きな差は見られなかった。平均で購入率は約11%(定期購入含む)、定期購入を除くと約5%という数値でほぼ同等である。これは、年商規模に関わらず、一定の購入率は確保しなければならない「基準値」であることを意味する。購入までのステップを短縮する、決済手段を多様化するなど、基本的なUI/UXの改善は必須条件である。

 購入率については、サイトの使いやすさだけでなく、安心感も重要な要素となる。レビュー機能の充実や、詳細な商品情報の提供など、ユーザーが迷わず安心して購入できる環境を整えることで、この基準値をクリアする必要がある。鴨下氏も「購入しやすいようなUI、UXを実現していくことが基準値になる」と述べ、まずは土俵に立つための基盤整備の重要性を説いた。

 ここまでの分析をまとめると、年商10億円突破のロードマップが見えてくる。まずはUI/UXを磨き込み、標準的な購入率を確保する。その上で、新規顧客の獲得にリソースを集中投下し、圧倒的な母集団を形成する。そして、訪れたユーザーを会員化・メルマガ会員化して囲い込み、一度の購入あたりの単価・点数を引き上げる施策を打つ。これらがデータから導き出された、確かな成長の定石である。

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これから成長するECに欠かせないのは「メディア化」

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