LIVE配信の視聴&売上最大化に効く広告の活用法
━━今回はLIVE配信の効果を倍増させるためにTikTok広告も活用されていますが、活用した広告ソリューションや、成果を高めるための工夫について教えてください。
兼田 今回活用したのは、TikTok ShopにおけるGMV(流通総額)の拡大を実現する広告ソリューション「GMV Max」です。これは、ROI(投資対効果)とGMVを最大化するよう、オーガニックトラフィックと広告トラフィックを最適化するのが特長です。良質なコンテンツをより多くのユーザーに届け、最終的に売上という成果に結びつける役割を担っています。
榎原 広告の成果を高めるため、LIVE配信の前に緻密なクリエイティブ戦略を実行しました。豊岡市全体の紹介動画、各商品の特長を紹介する動画、そしてLIVE配信の予告動画など、合計14本の事前動画を制作し、GMV Maxも活用しながらトラフィックを最適化しました。
王 IZULCA様が様々なクリエイティブを用意したことが功を奏し、事前動画は合計152万回再生を達成し、LIVE当日へのアテンションを最大限に高めることができました。また、単に多くのユーザーに見てもらうだけでなく、これらの動画を見たユーザー層を分析し、LIVE当日に誘導する広告戦略も並行して実施しました。
GMV Maxでは、LIVE配信の視聴状況に応じてAIが自動で広告配分をコントロールします。そのため、LIVEの序盤から終盤まで、常に高いトラフィックを維持することができます。
LIVE全体の盛り上がりを途切れさせず、安定的に高い視聴と売上につなげるためには、GMV Maxの活用は欠かせません。

500万弱の売上を達成、想定の4倍売れた商品も
━━今回の取り組みによって得られた具体的な販売実績や、事業面で得られた成果について教えてください。
榎原 9月23日、24日の2日間のLIVE配信を通じて、最終的な売上は500万円弱を達成しました。出品した9品目は全て1個以上売れましたが、特に主力であったお米の売れ行きが好調でした。
お米は当初の予想を大きく上回り、予定していた在庫の4倍以上を出荷することになりました。最終的に、売上全体の約9割がお米によるものです。その背景には、当時の市場動向によりお米への関心が高まっていたことに加えて、産地直送ならではの信頼感、さらにLIVE配信中に在庫がなくなり追加発注を行う場面が生まれたことで、リアルタイムならではの盛り上がりが購買意欲を後押しした点が挙げられます。
木村 LIVE配信の累計視聴者数も10万人に上り、一時的な同時接続数も3,000人以上を記録しました。私自身、個人的なお付き合いのある遠方の知人から「TikTokでLIVE配信していたね」と連絡が来るなど、その拡散力の大きさに驚きました。
私たちの地域はBtoB取引が多く、一般消費者へのBtoC販売や、ダイレクトな顧客との接点が非常に少ないという課題がありました。今回のTikTok Shop活用で、BtoCの販路に活路を見いだせたことは、大きな事業効果です。また、行政と一緒に取り組んでいるという安心感は、購入を迷う新規顧客の背中を押してくれたと思います。
榎原 また、ショップ側に固定費がかからないため、仮に売上が立たなくても大きなリスクを負いません。そして、LIVE配信を通じて、ダイレクトにお客様から商品に対する質問やコメントを受け付けられるため、市場のリアルな声を収集し、今後の商品開発や販売戦略に活かせるという点も、非常に大きな成果だと感じています。

