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AEO・ASO運用に着手する前に把握したい「今、検索の世界で起きていること」
MMOL Holdings 代表の河野です。前回は「AIエージェント時代の検索対策」をテーマに、検索体験の変化を共有しました。今回は一歩踏み込み、AEOとASOを“運用できる形”に落とし込む、ワークフロー・チェックリスト・ダッシュボード設計をまとめます。最後には、直近発表されたGoogleのAP2(Agent Payments Protocol)と、ShopifyのCheckout Kitが広げる決済の未来についても、頭出ししていきたいと思います。
改めて用語の意味をおさらい
- AEO:Answer Engine Optimization(=AIに“選ばれる”)
- ASO:Agent Search/Action Optimization(=エージェントが“行動できる”)
世の中の“答え”と“行動”の距離は倍速で縮まっている
2025年9月、いよいよGoogle検索の「AIモード」が日本でも提供開始されました。同じくGoogleのAI Overviewsや、Perplexity AIなどといったAI回答面への可視性が、従来の「検索順位」に匹敵する重要KPIになりつつあります。
Googleは「AI検索が導入されてもクリックは全体として安定している」と公式ブログで主張していますが、パブリッシャーやウェブサイト運営者(配信側)からは懐疑的な声も挙がっています。実際、Ahrefsのブログではクリック減のデータも提示され、議論は継続中です。
こうした状況を踏まえつつ、本記事で私が伝えたいのは「こうした議論が現在進行形で進む今だからこそ、“AIに選ばれる確率”を上げ、表示された上で“動ける導線”を自前で計測・改善できる体制が必要」ということです。次のように、各社はすさまじいスピードでアップデートを続けています。既に、“答え”と“行動”の距離は想像以上に縮まっているのです。世の中が進みきる前に、対策を打っていきましょう。
エージェントコマースにまつわる直近の各社のアップデート(2025年10月時点)
- OpenAI:「Operator」でブラウザ操作・フォーム入力・購入補助まで実現。さらに、Stripeとの共同開発により「Agentic Commerce Protocol (ACP) 」を公開し、アメリカでのInstant Checkout(チャット内からの直接商品購入)も既に実現し始めている
- Google:AI Modeに価格追跡/バーチャル試着/agentic checkoutを組み込み、会話→比較→購入の標準化を推進
- Shopify:「Storefront MCP server」「Customer Accounts MCP server」でエージェントからの検索・カート操作・注文/返品照会を公式に提供
- Amazon:会話型ショッピング「Rufus」をアプリ本体に統合し、画像検索(Lens Live)など行動系機能を拡張