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MMOL Holdings河野氏がホットなトピックに迫る! EC×AI活用最前線

これからは“AIが選んで動けるEC”でしか買われない?体験改善に向けた3Stepとチェック項目を紹介

“選ばれ”かつ“その場で買える”仕組みを作る実務ワークフロー3Step

 これまで、サイト流入を増やすにはSEOを強化し、検索結果で1位を取ることが常識でした。しかし、この常識が今まさに、過去のものになろうとしています

 AIが直接回答を生成する時代、私たちに必要なのは「10本の青いリンク」による上位表示を獲得することではありません。「一つの答え」として選ばれ、欲しいと思われたその瞬間に購入まで完結できる仕組みこそが重要となるのです。

 では、実際にこうした仕組みや環境を作り出すために、私たちはどのような対応を行っていくべきなのでしょうか? 手順についてステップバイステップでご説明したいと思います。

Step1:AEO(選ばれるため)の土台づくり

  1. Qクラスターの設計:人が検索欄に入れる「キーワード」ではなく、AIが拾う「Qクラスター(質問の束)」から設計を行います。たとえば、「冬用ジャケットの選び方」というQクラスターであれば、「素材の違い」「耐水圧」「適温」「レイヤリング」といった各種情報が、網羅すべき要素として挙げられます。
  2. 一次情報と根拠の埋め込み:1. で例に挙げた「素材の違い」「耐水圧」「適温」「レイヤリング」といったQクラスターへの回答に必要な要素を、本文+構造化データで明示します。「計測値」「比較表」「原材料」「耐久試験結果」「法令準拠」などの詳細を、AIが根拠として引用しやすい状態を作りましょう。ここで「Product」「Offer」「AggregateRating」「FAQPage」などのJSON-LDは必須といえます。
  3. E-E-A-Tの明示:コンテンツ制作者(執筆者)の専門性・実測・制作プロセスをページ内に明示的に記述しましょう。これはSEO対策とも類似しますが、AEO系のベストプラクティスでも「権威性」「出典」「検証可能性」は選定条件として重視されています。

Step2:動きやすいASOの導線作り

  1. 機械可読な「行動パス」を設計:MCP(Model Context Protocol)対応で、検索→比較→カート→決済までをAPI化。Shopifyであれば、Storefront MCP serverを使って製品検索・カート更新・チェックアウトツールを用意すれば、Customer accounts MCPで注文・返品・会員設定まで扱えます。
  2. ポリシーの即時参照化:返品条件・保証・関税・送料をFAQスキーマ+MCPのpolicies/FAQsツールで即応可能に。対話内で懸念をその場で解消できるようにします。

Step3:計測・運用の基盤を整える(ダッシュボード設計)

  1. Share of Answer(SOA)の可視化:Googleの「AIモード」や「Perplexity」「ChatGPT エージェント」などといった主要回答エンジンで、自社のコンテンツが回答にどれだけ採用されたかをトラッキング。「回答に載る」を主戦場と捉え、AI回答面での純粋シェア率をKPI化します。
  2. Agent Conversion(ACV)の集計:MCP経由のセッションで、カート追加率・購入率・途中離脱を別集計。注文確定までのファネルを「エージェント起点タグ」として切り出します。
  3. レビュー・返品の反映ループを作り上げる:AI要約の見出し語(Pros/Cons)・返品理由コードを属性(schema)に反映し、次回以降のAEO素材にします。Amazonのレビュー要約のように、「声→要約→改善→再提示」をエンジン化できると、仕組みとして強くなります。

次のページ
AEO・ASO・ダッシュボード設計時の参考に! お役立ちチェックシート

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この記事の著者

ミリモルホールディングス株式会社 代表取締役/CAIO 河野貴伸(コウノタカノブ)

 1982年生まれ。東京の下町生まれ、下町育ち。からくり人形師を祖に持つ河野家の十五代目。2000年からフリーランスのCGクリエイター、作曲家、デザイナーとして活動。2013年、ブランディングエージェンシー、株式会社フラクタ創業、代表取締役就任。2020年、上場企業にバイアウト。2024年1月、フラ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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