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ECzine Day 2025 June【オンライン+スタジオ観覧型イベント】

2025年6月12日(木)10:00~17:25

SHOPTALK 2025レポート

米国小売・ECの検索体験の現状と国内の比較/SHOPTALK 2025レポ

 2025年3月に米国・ラスベガスで開催された流通・小売業界向けイベント「SHOPTALK」。本連載では、同イベントに3日間参加したZETAの代表取締役社長を務める山崎 徳之氏が、イベントを通じて感じた米国の小売・ECにおける注目トピックスを解説します。中編となる今回は、3月26日に行われたセッションから注目の内容をピックアップします。

「それって生成AI?」AIブームに感じる疑問

 中編では、2日目の3月26日に見たセッション・ブースから注目すべき内容を紹介します。この日は以下の5トラック・テーマとなっていました。

1.The New Market Stage:Creativity Reinvented

2. The Hospitality Stage:Trendspotting – Staying Ahead of Fast-Changing Tastes and Preferences

3.The Vision Stage:Next Generation Search

4. The Inspiration Stage:Brand and Corporate Storytelling

5.The Value Stage:Tech Solution Spotlight

 初日はキーノートの後に各トラックに分かれたセッションが行われましたが、2日目は朝から各トラックに分かれていました。我々は基本的に「Next Generation Search(次世代の検索に関するトラック)」のセッションを聴講しました。

 理由としては当然、当社のメインプロダクトがEC商品検索であるからですが、聴講の感想としては、我々の強みと重なるジャンルである分、逆にインプットが少ないと感じました。当社が国内のEC向けの検索エンジンベンダーの中でもハイエンド領域を得意としていることもあってか、デジタルマーケティングにおける国内の検索エンジンのレベルは海外に引けを取らないという印象を受けました。

 そのため2日目は、セッションごとの所感ではなく、トラック全体を通した印象から海外ECの現状が理解できる内容をまとめます。

 まず、この出張に行く前に友人との会話で、「最近生成AIでもないものも、生成AIって呼んでない?」という質問をしたのですが、この2日目のトラックではそうしたトレンドが感じ取れました。

 以前にも、ディープラーニングが発端となって盛り上がったAIブームにおいて、AIとも言えないレベルの処理をAIという肩書きで売っているベンダーを見かけましたが、同様のことが生成AIでも起きているのかもしれません。

 トラック全体を通して、米国ではECにおける生成AI検索を「画像検索」「会話検索」「パーソナライズ検索」の3つに分類しているのはほぼ共通していました。ちなみに当社は画像検索の事例に関してはまだ少ないですが(これから増えようかというタイミング)、会話検索やパーソナライズ検索はすでにたくさん事例があるので、当社の検索エンジンはSHOPTALKで行われたセッションの基準で言えば「生成AI検索」と呼んでも差し支えないようです。

 また、検索の出来が良くないのは大変な機会損失であり、真剣に取り組むべきだという内容をデータとともに紹介する場面もありました。当社は同じことを15年くらい前から啓蒙し続けていますが、海外を含めまだ機会を損失している企業が多いのが現状のようです。

 ここまでで言えることは、生成AI検索というのは「手段であって目的ではない」という認識を持つことが重要だということです。CXを向上させるために真剣に取り組んでいる中で、生成AIがもたらす体験が有用であれば活用するべきと考えることが重要です。

 生成AI自体、今競争が激しいため、特定のAIにロックインすることなくフラットに評価することが求められていると言えます。

 また、今後はサイト内だけではなく、生成AI検索からのサイトへの流入も増えていくことが予想されます。しかし、テクノロジーに踊らされず、CXを高めることが目的であり、テクノロジーは手段であるという意識を常に持っておくと良いでしょう。

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この記事の著者

ZETA株式会社 代表取締役社長 山崎徳之(ヤマザキ ノリユキ)

プロバイダ及びデータセンターにおいてネットワーク・サーバエンジニアを経て2006年にZETA株式会社を設立、代表取締役に就任(現任)。ECソリューション「ZETA CX」シリーズとしてサイト内検索エンジンやレ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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