味の素AGF株式会社は、2025年4月25日にD2C専用オンラインストア「AGFMALL」の展開を本格スタート。同日に、同ストアの特徴や新サービスについての発表会を開催した。

発表会の冒頭では、同社代表取締役社長の島本憲仁氏より、「AGFMALL」や同モールで展開されるパーソナライズドリンクセットを提供する新サービス「ココロヒトイキ」が生まれた経緯などが説明された。
「当社は『いつでも、ふぅ。AGF』をスローガンに、『Relax(くつろぎ)』『Reset(心の整え)』『Refresh(気分一新)』という3つのRを生活者の皆様にお届けすることを目指しています。コーヒーを中心とした嗜好飲料の製造・販売をメインとしていますが、今回新たな価値を提供すべく、組織横断型で新事業を創造しました。『ふぅ。』がある世界を実現するため、社内の様々なメンバーが関わり合い、こうしたサービスが生まれることを非常に嬉しく思っております」(島本氏)
「ココロヒトイキ」は、味の素AGFが調査を実施し、働き方が多様化する中でテレワーク中の仕事や休憩について悩みを抱える生活者が多いことを踏まえて生まれたドリンクセットの定期便サービスとなっている。
同社の執行役員 ビジネスクリエイション部長の中澤正規氏は、働き方改革などを契機に企業・組織単位でオフィス環境の整備、朝食・軽食提供などの福利厚生サービスを充実化させてきた時代背景を踏まえつつ、「コロナ禍を契機に浸透したテレワークによって、休憩やオン・オフのリズム作りに課題をもつ個人をサポートするサービスを提供したい」と説明。これまでメーカーとして小売店を介した販売を主としていたが、「後発かもしれないが、D2Cビジネスの展開についてもトライ&ラーンを重ねていきたい」と語った。

「ココロヒトイキ」のサービス設計については、企画設計から運用までを手がける同社のビジネスクリエイション部 新ビジネスグループ グループ長代理 木村優希氏、D2Cビジネスグループ 主任 竹川幸佑氏が紹介を行った。
「『ココロヒトイキ』では、ユーザーの方に最初にアンケート回答をいただき、診断結果からわかる働いている時の気持ちに合ったドリンクセットをお届けします。
診断結果は『UEMUKI(ウエムキ)』『SUKKIRI(スッキリ)』『FUU(ふぅ)』『GOHOUBI(ゴホウビ)』の4カテゴリーに分かれ、定期便にお申し込みいただくと、同サービスオリジナル商品を含む30種類以上のスティック飲料の中からカスタマイズされたセットが届きます。届いた後は、商品を飲んだ際の気持ちや味を記録すると、次回以降の注文に結果が反映され、より一人ひとりの好みに合ったセットへとパーソナライズされていきます」(木村氏)


「商品を飲んだ後の記録は、月次で自身の気持ちがどう変わっていったかを見える化したレポート機能を用意しており、お客様が自ら結果を振り返りながら好きな味や気持ちの変化に合わせたリクエストを送信することもできます。
実際にテストローンチでは『新しい商品との出会いがあった』『開ける際のワクワク感がよかった』といったお声もいただきました。今後は現在のラインアップが最適なのかも含めて、お客様の声を見ながらさらなるブラッシュアップを進めていく予定です」(竹川氏)

質疑応答の中では、今後の展望などについても触れられた。竹川氏はビジネスの拡大を目指すにあたり、「オウンドメディアやSNSでの発信、広告施策だけでなく、リアルイベントなどへの出店も検討している」と言及。認知やLTV向上に向けては「関連商材とのコラボレーションなども、機会があれば検討していきたい」と意気込みを語った。
なお、味の素AGFでは近年、新規事業モデルの立ち上げやD2Cビジネス推進に向けて「COE(声)モデル」と呼ばれるフレームワークを構築している。これは、小さな声に耳を傾け、事業の種を見つけるためのもので、「AGFMALL」や「ココロヒトイキ」を推進することで既存のビジネスモデルとの相乗効果を発揮し、さらなるOne to Oneで心(Cocoro)に寄り添い、味の素AGFと消費者の間につながり(En)の創出を目指すとのこと。
