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2025年2月4日(火)13:00~18:45

オンラインショップを伸ばす魔法の法則100選

作業になると売れないeコマース、ライブ配信に勝ち筋あり? オオスミ浩子氏×運営堂 森野氏対談[後編]

 2023年6月から2024年10月まで、全12回でオンラインショップ運営の基礎をお伝えしたオオスミ浩子氏の連載「オンラインショップを伸ばす魔法の法則100選」。読者の一人であった運営堂 森野誠之氏と本連載の内容を振り返りながら、これからオンラインショップを始める方、少し停滞を感じている方に向けた姿勢や取り組みのヒントを前後編にわたってお伝えします。後編は、限られたリソースの使い方やオンラインショップだからこそ意識したい“売り場作りの方法論”を語りました。

前編はこちら

ヒットよりロングセラーを狙う ネットショップを上昇気流に導くのは“小さな積み重ね”

──前編では、特に運用初期のオンラインショップ担当者が陥りがちな認識の齟齬や、必要なマインドセットについてお話しいただきました。引き続き、問題提起やオンラインショップを発展させるために必要なアクションや考え方についてお聞きできればと思うのですが。

森野 「この施策をやると売れるんですか?」とよく聞かれる問題についてお話したいのですが、いかがですか?

オオスミ それもあるあるですよね。

森野 これに対する回答は、端的にいえば「やってみなければわかりません」なんですよね。やり方にもよりますから。やるにもいきなり完璧に環境を整備して始めるのではなく、お金やリソースを最小限にして、データを取りながらうまくいく方向を探っていけば良いのですが、どうも「0か1か(やるかやらないか)」で判断したがる方が多いんですよね。

オオスミ あとは、「ヒット商品を作りたがる人が多いな」とも思います。「どうやったら売れますか?」は本当によく聞かれるのですが、それがわかれば商品開発やマーケティング担当者は苦労しませんよね。特にスモールビジネスの場合は、ブランドや商品そのものを知ってもらうハードルがあるので、私は「ヒット商品よりロングセラー商品を作りましょう」と伝えています。

オンラインショップ再生コンサルタント オオスミ浩子氏
オンラインショップ再生コンサルタント オオスミ浩子氏

森野 確かに、そちらの意識のほうが大事ですね。皆さん「売れたい」と思っていますが、思いがけないところからバズるなど、何らかの理由で売れ始めると「注文が捌けなくて嫌だ」「売れすぎても困る」と悲鳴を上げることも多いです。毎日一定の数きちんと注文が入り、身の丈に合った売れ方をし続ける。これがオンラインショップの理想だと思います。

オオスミ そういった環境を手に入れるには、LTVに着目するのも大事です。LTVという言葉や考え方は、ここ数年でかなり浸透してきたとは思いますが、それでもまだまだ「LTVって何ですか?」「どうやって計算したら良いんですか?」とはよく聞かれます。

森野 もちろん、LTVの概念が馴染まない商材もあるとは思いますが、「お客様の年間の平均購入回数を教えてください」と聞くと、同じお客様に何度も購入してもらう意識があまりない、つまりアプローチが行き届いていないケースも多々見受けられますね。

オオスミ リソースが少ないから、新規獲得ばかり目がいってしまう……といった声も聞きますが、リソースに限りがあるからこそ、メルマガなどを使って既存のお客様にリピート購入を促したほうが効率的です。

森野 「売上を2割伸ばしたい」という目標があったとして、計算してみると「平均年間購入回数が0.5回増えれば達成できますよ」というケースも往々にしてありますから。「楽をする」だと響きが良くないですが、「目標への最短ルートを見つけられるか」と考えればしっくり来るのではないでしょうか。少ない打ち手で成功体験が得られれば、すぐ次の課題解決に着手できるわけですから。

オオスミ LTV向上の話は「もう買ってくれたお客様にもう一度アプローチするのは、押し売りになるのではないか」と懸念している方も多いようです。でも、たとえば化粧品であれば買って良さを体感しているお客様に使い終わりそうなタイミングで「リピートしませんか?」と呼びかけるのは自然ですよね。購入して1週間後に「また買いませんか?」と聞くのは的外れで迷惑な訴求になりますが、「そろそろ買い替えのタイミングだけど、どうしようかな」というところで手を差し伸べれば、他の商品にスイッチされる可能性を排除できます。これがCRM施策ですし、売上はこういった小さなことの積み重ねで増えていくものです。

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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