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ECバブル崩壊後になぜ越境ECが注目を集めているのか?
前回は、終了した直後から考えたい「次のBMCF(ブラックフライデー、サイバーマンデー)、ホリデーシーズン対策」について教えてくれた徳田氏。今回は「とうとう越境ECの時代が来た」と前のめりな発言から、昨今の市場動向について話し始めた。
「インバウンド需要の戻りや円安、ChatGPTなど翻訳にも活用できるAI技術の進化など、様々な外的環境から越境EC参入のハードルがぐんと低くなっていることは間違いありません。事業者側から『コロナ禍の国内EC需要が一段落し、ここから生き残る売り場を作っていくには越境しかないと考えている』といった声も上がっています。
すると、支援側もそれに応えるために海外市場を意識したサイト構築やサポート体制構築の必然度が増します。しかし、言語も文化も違うので小手先ではいかない点も多いです。そこで世界へボカンに相談をいただくケースも増えているのが実情です」
徳田氏は「意気込んで始めるのは良いものの、国内向けのEC運用以上に粘り強さや『育てていく視点』が越境EC運用には必要」と強調。実際にコロナ禍の新規販路開拓やIT投資を促進する補助金ブームに乗って、ECサイトという「顧客が集まる場所(売る場所)」を作っても集客に苦戦し、志半ばに諦めた事業者も少なくはない。
「未開の地にいきなり建物だけを建てても、当然ながら見つけてもらえません。実店舗だと人通りのある道に看板を出したり、ビラ配りをしたりしますが、eコマースの場合なぜかそういった自ら道を切りひらくアクションを起こさずに、ドロップアウトしてしまう事業者も多くいます」
とはいえ、売上のほとんどを既に越境ECで立てている事業者ならまだしも、これから進出し、成功するかどうかもわからない状況でリソースを投下するのは困難なのが現実だろう。人手不足も加速する中、まずは「EC担当者が二足のわらじを履く」ケースも多く、未知数な越境EC施策に注力して国内施策がおろそかになるのも本末転倒だ。
「そこで私がお勧めしているのは、『クラウドファンディングで越境ECに挑戦してみる』という方法です」