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楽天市場がセールの効果を検証中?
前回、羽田野氏は各モールにおけるセール増加の動きを説明した。2024年以降も、楽天市場は新たな企画を試すなど、引き続きセールを通じた集客に力を入れているという。
「楽天市場は2024年4月に『お買い物マラソン』を3回実施していますが、それぞれの内容は異なります。1回目は最大ポイント倍率が10倍、2回目、3回目は8倍です。2回目以降は買い回りのポイント倍率が下がる分、特定ジャンルの商品を販売するショップで5,000円以上購入した場合に、倍率が+3倍となる新施策が用意されています。参加できるのは、対象ジャンルに属する商品の売上比率が50%以上あるなど、一定の条件をクリアしたショップです」
楽天市場では1年を通して頻繁にセールが開催される。同じ内容のみだとマンネリ化につながりかねない。今までにない企画によって、顧客の購買意欲を高める考えだと予測できる。
「まずは2024年4月のお買い物マラソンでの成果を見た上で、さらに今後の施策を検討するのではないでしょうか」
また、ショップの業務効率化を促すアップデートも実施された。楽天グループが2024年1月にリリースしたRPP広告の会員ランク別CPC単価自動最適化機能を活用すると、広告の入札価格が顧客の購入確率に応じて自動的に最適化される。羽田野氏は「同機能によってROASの向上が期待できる」と話す。
加えて、同社は2024年3月に「RMS AIアシスタント(β版)」を導入。出店者は生成AIを通じた商品説明文や画像の作成、問い合わせ対応などが可能となった。
楽天市場だけを切り取っても次々と新機能が登場しているが、羽田野氏は「これらを積極的に試してみるべき」と強調する。
「楽天市場は、積極的に出店者向けの機能改善を行っています。新機能が実装されたら、出店者にはまず使ってみてほしいです。実際に業務を効率化できるのであれば、継続的に活用してノウハウを貯めましょう。モールが注力している施策にしっかりと乗る姿勢が重要です」
一方で、「楽天SKUプロジェクト」への対応も忘れてはならない。既に移行を済ましている読者も多いだろう。必須項目の入力期限は移行日から半年以内のため、注意が必要だ。
「期限までに必須項目が埋まっていないと、商品ページが保存できなくなります。SKU数が多い場合、1度にすべての項目を入力するのは負担が大きいです。セールやキャンペーン時のエラーを避けるためにも、前もって更新期限を確認の上、対応しておきましょう」