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「もう年末の準備?」と思うあなたへ 継続のヒント教えます
新生活シーズンに求められる商材など、生活スタイルに合わせた需要変化はあるものの、全体的には年末のBFCM(ブラックフライデー、サイバーマンデー)やクリスマスシーズンを終え、反動で買い控えの動きが進んだ年明けの越境EC市場。ついひと休みしたいところだが、徳田氏は「ピーク時に手応えを得られたのであれば、今の時期を『次のBFCMまでの仕込み期間』ととらえ、継続的な接点創出や売上の底上げに取り組んでほしい」と呼びかけた。
「前回のBFCMに獲得した新規顧客に、何かアプローチができているでしょうか。この1年で彼らを継続顧客に引き上げ、新規顧客との出会いも創出できれば、次のBFCMでさらなる成果を得られます」
徳田氏は、越境ECで成功し続けるポイントとして、次のようなスパイラルを意識すると良いと説いた。
- BFCMのたびに売上の新記録達成を目指す
- BFCM後、初めて商品を購入した顧客の不安や迷いに寄り添う
- 需要が落ち着く期間の年商底上げを図る(BFCMで出会った新規顧客に追加のアプローチをする)
- 1. から3. のアプローチの中で得た発見を、次回のBFCM施策に生かす
「BFCM商戦を勝ち抜くには、実はピーク時だけ頑張るのではなく、継続的なアクションが欠かせません。BFCMのタイミングで初めて商品の存在を知る人々よりも、年間を通して集めたフォロワーや顧客に対して、財布が緩むタイミングに『いかがですか?』とアプローチしたほうが、CVRが上がりやすいのは想像にたやすいでしょう。
広告予算についても、競合が多くCPC(Click Per Click)が上がるシーズン一極集中ではなく、少額でもいいので定常的に一定額を投下し、最適化を図っておいたほうが最も注力したいときの効果を高められます」
世界へボカンが2年ほどサポートしている企業の中には、継続的なメルマガ会員・顧客リストの蓄積が功を奏し、BFCMのたびに月商規模を数百万円単位でアップさせているケースもあるという。
「年間でどんなアプローチをするかは、一度型を作ると負担を軽減できます。たとえば、購入した直後の1月には『初めての○○』といったタイトルでスタンダードな使い方を紹介、使ってみた方に感想を募集して、翌月に『買ってよかった○○』といったUGCコンテンツを作り、次に商品のケアの仕方や他の顧客の使い方を紹介する。その上でリピート購入に向けた選び方コンテンツを提供すれば、継続顧客獲得に向けたサイクルが回るようになります。1年間コツコツと続けていけば、『タイミングを見て買おうと思っていた需要』をBFCMに取り込め、売上の底上げにつながるはずです」
越境ECの場合、「使い方コンテンツに注力すると顧客満足度やリピーター率が高くなりやすい傾向にある」と続ける徳田氏。特に日本独自の文化に根付いた商材は、適切な利用方法や量がわからずに継続利用を挫折する顧客が多いため、懇切丁寧にコンテンツでカバーできるとファン化が進みやすくなるそうだ。
「せっかく欲しいと思って購入していただけたのに、間違った方法で期待値を超えられず、宝の持ち腐れになってしまうのは、お互いにとって非常にもったいないことです。海外からわざわざ購入するほど気になっていたものであるという顧客の気持ちを理解し、良さを存分に体感していただけるような準備を進めましょう」