決済完了までわずか27秒 売上機会を逃がさない
健康的な生活を支える機能性パジャマなどを販売するウェルネスブランド「TENTIAL」。「SLEEP」「FOOT」「WORK」の3ジャンルで商品を展開しており、販売開始から2年で15万枚を売り上げている。
そんな同社は、「Stripe」導入をきっかけに、改めて決済体験の重要性に気づいたという。どのような決済体験の提供を目標としているのだろうか。
「当社が大事にしているのは、ECサイト上での認知から購入、そしてお客様の元に商品が届くまでの一気通貫した顧客体験設計です。その中で、決済体験では、『利便性の高い購入フォーム』『安全に使っていただける決済基盤』の2点が重要だと考えています」(湧川氏)
湧川氏は、求める決済フォームの要素として、事業者にとっても顧客にとっても「煩わしさを感じさせない」ことを挙げた。日々変わっていくCVRの計測から改善まで、自社内のリソースで手早く自由にカスタマイズできる。クレジットカードの情報や住所情報が保存され、顧客の次回購入時にも決済に必要な情報がすぐ入力できる。こうしたポイントを押さえた決済体験の実現を目指しているのだ。
また、安全な決済基盤では、不正利用の防止が欠かせない。湧川氏は、「自社だけでは手に負えない部分を、Stripe が縁の下の力持ちとなって支えてくれている」と語る。
Stripe のLee氏は、TENTIALの決済完了までの時間に着目する。決済に時間がかかってしまうと、購入の直前であっても、顧客がECサイトを閉じてしまう可能性があるからだ。
「私がTENTIALのECサイトで決済完了までにかかる時間を測定したところ、わずか27秒でした。当社では、決済に30秒以上かかるとCV率が下がると考えています。TENTIALでは30秒以内に決済が完了し、スムーズな体験が提供できているといえます」(Lee氏)
Lee氏が示すように、今では快適な決済体験を提供できているTENTIALだが、Stripe 導入前は決済に関する様々な課題を抱えていた。たとえば、開発ドキュメントが更新されておらず、開発効率が下がっていたこと。それにより、PDCAを回しながらの細かい改善が難しい状況となっていた。
「Stripe の決済サービスは、開発者目線でもドキュメントがかなり充実しており、導入後の活用イメージが湧きました」(湧川氏)
「経営者目線では、決済の失敗で売上が落ちないかが大きな懸念点でしたが、Stripe のサービスには安心感が持てました」(酒井氏)
財務管理やキャッシュフロー改善など副次的な効果も
Stripe の決済サービスを導入したことによる具体的な効果について、湧川氏はこう語る。
「決済成功率がすぐに確認できるようになったのは大きかったです。以前は、そもそもどの程度の決済が成功しているのか可視化できない仕組みでした。現在は、決済成功率が低いタイミングや理由がすぐにわかり、改善につなげられるようになりました」(湧川氏)
湧川氏が特に Stripe の価値を実感しているのが、不正利用対策だ。Stripe では、在庫や配送料、原価などに悪影響を及ぼす不正利用を抑止する機能「Stripe Radar」が搭載されている。
「現時点で、合計約2億円の不正取引のブロックに成功しています。不正請求を発見した顧客からの問い合わせも大幅に削減され、カスタマーサポートの負担も軽減されました」(湧川氏)
どのような取引をブロックできるかは、カスタマイズが可能だという。また、不正取引の発生件数はダッシュボードで確認できる。グラフを見ながら改善策を立てられるのも、Stripe の特徴の一つだ。
送信された取引の中で、カードネットワークによって承認された取引の割合を示すオーソリ率も、ダッシュボードで管理可能。TENTIALの場合、オーソリ率が業界平均よりも高く、キャンセルコストが抑えられている。
「以前は可視化できなかったオーソリ率が、Stripe の導入で明確化されました。業界平均のオーソリ率が90~95%といわれる中で、当社は98%というハイスコアを維持できています」(湧川氏)
加えて湧川氏と酒井氏は、Stripe 導入による「副次的な効果がかなりある」と言及した。
「導入のきっかけとしても挙げましたが、Stripe の開発のしやすさは随一です。APIでデータをすぐにつなげられるため、購入フォームを細かくカスタマイズできます。カスタマーサクセスの側面でも、管理画面が非常にわかりやすいです。キャンセルや問い合わせの内容から商品サイズの確認などを行った結果、購入されたかどうかを個人レベルで確認でき、チーム内でも使いやすいと好評です」(湧川氏)
「財務諸表では返金のデータが反映されにくいのですが、Stripe の導入で管理・測定できるようになりました。当社では、APIを通じて返金データをデータウェアハウスに蓄積しています。非エンジニアが開発できるほど Stripe のAPIが使いやすく、ドキュメントが充実している点も魅力的です。そして、キャッシュフロー改善の面でもメリットがあります。Stripe では、他社の決済サービスではオプションであることも多い、早期入金が実現されています。一種の資金調達効果も感じられました」(酒井氏)
大型セールにも耐えられるキャパシティ
TENTIALの導入事例に続いて、Lee氏は Stripe の特徴を詳しく説明した。
決済に必要なあらゆる機能を、自社で構築から維持まで手がけようとすると、大量の項目に対応する必要がある。Lee氏によると、海外の大企業は数百人、数千人規模のエンジニアを抱えて決済サービスを運用しているという。
「Stripe は、大企業が多数のエンジニアによって実現している決済の仕組みを、一つのプラットフォームですべて網羅し提供しています」(Lee氏)
どれだけ決済サービスが使いやすかったとしても、不正取引が多ければ売上につながらないどころか、損失となってしまう。Stripe は、盗まれたカード情報が有効かを何者かが確認しようとする「カードテスティング」の防止ツールなどを通じて、不正利用対策を提供している。
さらに、TENTIALがメリットとして挙げたオーソリ率の可視化も Stripe の強みだ。決済の失敗は、一人の顧客を失うことにもつながる。オーソリ率の把握が、LTV向上施策を検討するスタート地点ともいえるだろう。
ここでLee氏は、2023年のブラックフライデーおよびサイバーマンデーにおける Stripe の支援状況を共有した。Stripe は、2023年11月24日~27日の3日間で、世界中で3億件以上、金額にして約186億ドル分(約2.7兆円)の決済を処理。その稼働率は99.999%だった。大型セールでも、顧客を待たせない決済体験を提供しているといえる。
セッションの最後には、Lee氏がTENTIALに Stripe を導入して約1年が経った感想と今後の抱負を質問。湧川氏と酒井氏が、越境ECや売上のさらなる成長への意気込みを語り、セッションを終えた。
「Stripe によって、これまでの課題がクリアできました。商品を30秒以下で購入できるといった決済の部分はもちろん、不正利用の防止などもかなり役立っています。攻めと守りの両面でサポートを受けられ、実際に売上や決済成功率も上がっています。今後も、引き続き成長していきたいですね」(湧川氏)
「当社は、この1年で急激に売上を伸ばしました。本来ならば、売上に比例して増えるはずの不正利用が増えなかったのは、Stripe のおかげでしょう。不正利用は、収益の面でもダメージがありますが、転売によるブランド毀損も考えられます。ブランド価値を守りながら成長できた要因の一つが、Stripe だといえます。これからは越境ECにも注力する予定ですが、アジア・北米など、世界で展開していくにあたっても、Stripe は心強いパートナーです」(酒井氏)
売上アップにつながる決済フローの最適化
顧客は決済フローに少しでもストレスを感じると、購入を中止してしまう可能性があります。売上機会を逃がさないために、決済フローを最適化しましょう。Stripe では、顧客にスムーズな購入プロセスを提供するためのガイドをご用意。「購入プロセスを短くする」「現地に最も適した決済手段を提示する」「ユニファイドコマース(統合されたコマース)の構築を目指す」「サブスクリプションにネイティブ対応する」方法を紹介しています。ぜひ、公式サイトよりダウンロードください。