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ECzine Day 2024 Spring

2024年3月14日(木)10:00~16:20(予定)

小売りの変革

真の顧客体験は“購入後”に起きている ポイントやクーポンに頼らず顧客とつながる9の戦略

 オムニチャネル化やOMO戦略を推進している事業者は少なくないが、「オンラインで購入した商品を実店舗で受け取れる」といった部分最適の施策にとどまっていないだろうか。顧客体験で他社と差別化するには、もう一段階上の体験設計が必要だ。小売業界の情報を日々収集・発信している伴大二郎氏による連載「小売りの変革」。第4回では、EC事業者・小売り・メーカーが本来取り組むべき「ユニファイドコマース」を解説する。

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ロイヤル顧客を育てるユニファイドコマースとは?

 小売りは以前から、オムニチャネル化やOMO戦略に投資してきた。デジタル決済によるレジの待ち時間短縮、オンライン上で購入した商品の店舗受取などがその例だ。特に、コロナ禍で加速したデジタル接客、ライブコマースなどへのDX投資は、顧客体験を大きく変えた。

 しかし、これらはまだ部分最適にとどまっている。顧客体験で差別化できるほど強い仕組みにはなっていない。

 そこで求められるのが、ユニファイドコマースだ。ユニファイドコマースは、オンオフを問わず、一人ひとりに最適なアプローチを行う手法を指す。顧客体験の向上が目的である点でオムニチャネル化やOMO戦略と同じだが、アプローチ方法に大きな違いがある。オムニチャネル化・OMO戦略が事業者目線なのに対し、ユニファイドコマースは顧客目線の手法だ。

 ユニファイドコマースには、ロイヤル顧客化やLTV向上など、CRMの要素が強く含まれる。そのため、在庫・価格・購買行動といった多様なデータを一元管理しなければならない。より高度なデジタル戦略ともいえる。

「どこで買ったか」ではなく「どう使ったか」を知る

 Amazonによる実店舗への進出が、小売りのDXを加速させたといっても過言ではない。同社はEC上のデータ活用や、データに基づいたオフライン戦略を次々と打ち出してきた。自社で収集したファーストパーティーデータで、顧客体験を改革している。

 特に、顧客が「何を買ったか」ではなく、「どのように商品を使ったか」の情報を取得している点が、Amazonの特徴の一つだ。たとえば、電子書籍サービス「Kindle」では、「ある小説を購入した顧客の多くが3日で読み終わっている」といった情報を取得している。そして、取得した情報を基に、レビューやレコメンドの効果を最大化させている。

 レビューやレコメンドは、今やECビジネスに欠かせない仕組みとなった。実際の商品に触れる場や直接の接客を提供できない代わりに、他者のレビューで信頼性を担保し、レコメンドで顧客に合った提案をする。

 それにもかかわらず、いまだに多くの事業者は、顧客が「商品をどこで認知して買ったか」というデータしか取得しておらず、レビューやレコメンドを十分に活用できていない。これらのデータで生み出せるのは「購買体験」であって、「顧客体験」ではない。真の顧客体験は購入後に起きている。

『「つながり」の創りかた― 新時代の収益化戦略 リカーリングモデル』(東洋経済新報社/川上昌直 著)を参考に筆者が作成
『「つながり」の創りかた― 新時代の収益化戦略 リカーリングモデル』(東洋経済新報社/川上昌直 著)を参考に筆者が作成

 第1回で取り上げた「NIKE」も同様に、アプリから顧客のランニングの頻度、スピードといったデータを取得している。

 新たなデジタル接点で取得した顧客の「行動」や「体験」データを、レビュー・レコメンドに活用すれば、新規顧客が購入しやすい状況や既存顧客のLTVを高める仕組みを創出できる。

 大量のデータを収集してセグメント分けするのではなく、「必要なデータ」を集めて最適な施策を行う戦略だ。つまり、ファーストパーティーデータが経営活動を加速する重要なエネルギーとなる。

 そして、ファーストパーティーデータを効率的に収集するには、顧客とのつながりをビジネスの核とするメンバーシップマーケティングの再考が求められる。

メンバーシップマーケティングの整理
出典:筆者が作成(クリックすると拡大します)

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この記事の著者

株式会社ヤプリ エグゼクティブスペシャリスト/株式会社顧客時間 プロジェクトマネージャー 伴大二郎(バン ダイジロウ)

 小売業界においてCRMの重要性に着目。一貫してデータ活用の戦略立案やサービス開発に従事した後、2011年にオプト入社。マーケティングコンサルタントを経て、 2015年よりマーケティング事業部部長として事業拡大に向けた組織作りに着手。マーケティングマネジメント部やOMO関連部門等々を立ち上げ統括しな...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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