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2024年8月27日(火)10:00~19:15

次なる顧客体験へ 大手企業の目線

「何でもやんなきゃダメでしょ」 EC売上前年比173%!メガネスーパーが取り組んだ改善策とは


 2013年12月のリプレースから2014年9月までの自社ECサイト累計売上前年比が173%と成長を見せるメガネスーパー。入社5ヶ月でサイトをリプレース、この1年間、ハイスピードで地道な改善を繰り返した川添隆さんにお話をうかがった。

メガネスーパーEC、1年で173%の成長 何をどう改善したのか

――1年間で173%とはすごい成長ですが、どうやってここまで伸びたのでしょうか。

 「メガネスーパーがEC事業を始めたのは、2008年くらいからです。楽天市場への出店からはじめて、自社ECサイトを立ち上げ、ECに強いコンタクトレンズ事業を買収したりしながらも、どう力を入れたらわからないといった状況が続いていました。僕は、アパレル企業でEC・eマーケティングを担当していて、EC事業を2年で2倍以上にした実績を評価され、2013年7月にメガネスーパーに入社することになりました。

 当時のメガネスーパーは、自社ECと楽天市場店を展開しており、売上の横ばいが続いていました。まずは自社ECサイトの強化ということで、価格の設定、バナーの見せかた、メルマガの打ちかたなど細かいところを1つずつ改善し、初月で前月比133%にできました。2013年12月にはECサイトをリプレースし、12月単月売上は前年比210%となりました」

株式会社メガネスーパー 店舗運営本部 EC・WEBグループ
ジェネラルマネージャー 川添隆さん

――最初に手を付けた改善は、いわゆるWeb的な手法というところでしょうか。

 「Webが専門の方は、ネット広告やアクセス解析を基点にされることが多いですが、僕は小売側の人間なのでアプローチが違います。

 たとえば、コンタクトレンズの通販は多くの場合、お客様から注文が入ったらメーカーに発注するというビジネスモデルです。でも、コンタクトこそ早く欲しいですよね。そこで即日配送できるように、一部の在庫は持つことにしました。また、価格競争が激しいジャンルですが、ビジネスとして厳しくなるほどの価格にはせず、バナーやメルマガでバリューを明確にするといった具合です。

 前職のアパレルでは、たとえばセールの場合、『30%オフ』と『◯円~』どちらの表記がいいのか、セール初期なら『30%オフ』、後半になってくると『◯円~』のほうが効くみたいだ。ひたすらこういう検証をしていましたから、それを持ち込んだというところです。

 もちろん、データも見ますし、リスティング広告も当たり前にやるのですが、テクニカルなところはパートナーに任せても、戦略のところは自分たちで決めています」

――メガネスーパーのECが大きく伸びた、ターニングポイントはありますか?

 「やはり、ECサイトのリプレースです。構築パッケージに『ecbeing』を選んだのは、事業者側の立場に寄ってくれると感じたから。それに、分析機能が優れていて、データを見ながら商品の掲載順位を入れ替える、といったことがすぐできるからです。

 高い金額を出せばそれだけいいサイトができるというのはわかりますが、僕はまず結果を出してから投資する、という考えかたです。ECのいいところは、システムをどんどん改修できるところ。逆に考えると、後から改修できないサービスを選ばないというところですね。

 それよりも、そもそも『メガネをネットで買う』という消費文化がまだ定着していないので、返品や試着サービス、お店でもレンズを作れるようにするといった、サービス面で購入のハードルを下げることが優先です。

 いま、ECの売上はコンタクトレンズが主力ですが、閲覧はメガネのほうが多いんです。これが店舗に送れないかと、2014年10月には在庫表示を始め、店舗在庫の閲覧数には手ごたえを感じています」

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この記事の著者

ワダ スミエ(ワダ スミエ)

2013年11月11日〜2023年3月31日までECzine編集部在籍。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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