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ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECホットトピックス(AD)

最初はCVの意味もわからなかった 1883年誕生の老舗ブランド「iwaki」が語るEC運営の舞台裏

 国内のBtoC-EC化率は年々上昇し、経済産業省の最新調査によると、2022年は9.13%を記録。この数年でEC事業に参入した企業も多いだろう。主に耐熱ガラス容器を扱う「iwaki」も、2020年に自社ECサイトを立ち上げた。しかし、専門用語の理解から始めるなど、本格的なEC運営へのハードルは低くなかったという。iwaki を運営するAGCテクノグラス株式会社 コンシューマ本部 営業部 ハウスウエア営業グループ チーフマネージャー 野村考弘氏、AGC株式会社 デジタル&イノベーション推進部 マネージャー 田家敦史氏、同ブランドのEC運営を支援している株式会社エートゥジェイ 統括マーケティング責任者 座間保氏に、自社ECサイト立ち上げの裏側と運営の現場について話を聞いた。

140年の歴史を持つiwakiがECビジネスへ挑戦

 「iwaki」は1883年、日本初の民間ガラス工場として誕生した。特殊ガラス事業を手掛けるAGCテクノグラス株式会社の運営のもと、耐熱ガラス容器を中心に販売している。建築・自動車ガラスや化学品素材などを扱うBtoB事業が中心のAGCグループには珍しい、BtoC向けのハウスウエアブランドだ。

 iwakiがオンライン上で商品の販売を始めたのは2011年頃。当時は楽天市場などの大手ECモールに出店していたが、メインの販路は百貨店をはじめとしたオフラインチャネルだった。ブランドサイトは存在していたものの、購入導線が設けられていなかった。そのため、「オフラインでもオンラインでもお客様とのコミュニケーションがiwakiからの一方通行になっていた」と野村氏は明かす。

「ブランドサイトでは当社がお客様に伝えたい情報を一方的に伝えるだけでしたし、店頭でも商品を卸したあとのコミュニケーションに関わることはほとんどありませんでした。お客様と対話を通じて関係性を育む双方向のコミュニケーションの必要性に気づいたことが、自社ECサイトを立ち上げるに至った大きなきっかけです」(AGCテクノグラス・野村氏)

AGCテクノグラス株式会社 コンシューマ本部 営業部 ハウスウエア営業グループ チーフマネージャー 野村考弘氏
AGCテクノグラス株式会社 コンシューマ本部 営業部 ハウスウエア営業グループ チーフマネージャー 野村考弘氏

 こうした課題を解決するため、自社ECサイトの立ち上げを決めたiwaki。どのカートシステムを導入するか複数の選択肢がある中で、エートゥジェイが提供している「メルカート」を選んだ。

「iwakiの事業規模を考慮すると、フルスクラッチの高度なシステムは過剰です。一方、自ら手を加えなければならない低コストのシステムを使いこなせるほど、EC運営のスキルに自信がありませんでした。身の丈に合ったシステムを基準に候補を絞り込みましたが、最終的な決め手は、サービス担当者とのコミュニケーションと当社の高いセキュリティ基準をクリアできる安全性です。特にコミュニケーションにおいては、専門用語を使わず的確に説明してくれるなど、二人三脚でやっていける確信が持てました」(AGC・田家氏)

AGC株式会社 デジタル&イノベーション推進部 マネージャー 田家敦史氏
AGC株式会社 デジタル&イノベーション推進部 マネージャー 田家敦史氏

 自社ECサイトの立ち上げに乗り出すまで、iwakiは売上以外のデータ分析などをほとんど行ってこなかった。EC運営において重要となる専門用語なども、野村氏や田家氏をはじめとした各メンバーの理解が進んでいなかった。

 しかし、iwakiがEC運営に注力し始めた時期には、社内でもDXへの取り組みが進み始めていた。そのため、自社ECサイトの立ち上げにともない、売上だけでなくiwakiがどの程度認知されているのかなど、データを使った詳細な分析が求められたのだ。

 「eコマースにおいてよく使われる単語もわからない状態だったので、カートシステムを導入しただけで求められているレベルのEC運営ができるか不安だった」と野村氏は話す。

 そこで座間氏は、iwakiの自社ECサイト立ち上げとその後の運営を支援するにあたって、毎月定例会を実施。EC運営に必要な知識として用語集も作成し、「CVとは何か」といった基礎的な知識のインプットから始めた。また、初年度の売上予測を最初に数字で提示し、iwakiの自社ECサイトの可能性を可視化した。

「初年度の売上予測が高い数字だったので驚きましたが、初心者の我々を座間氏が引っ張ってくれました」(AGC・田家氏)

 結果的に、iwakiが立ち上げた自社ECサイトは、当初座間氏が提示していた売上規模に成長。立ち上げから1年で、iwakiが元々運営していたブランドサイトの約25倍ものセッション数をたたき出した

何人体制で運営すれば良いかわからないケースも

 iwakiのように、新規で自社ECサイトを立ち上げようとして、壁にぶつかる企業は少なくない。初めて自社ECサイトを立ち上げる際によくある課題を、エートゥジェイの座間氏はこう説明する。

「自社ECサイトの新規立ち上げでは、『何から始めれば良いのかわからない』『そもそも何人体制が正解かわからない』という企業が多いです。やみくもに自社ECサイトを立ち上げた結果、『売上が伸びなかった』という声もよく聞きます。メルカートのサービスでは、自社ECサイトの立ち上げとともに、どの施策を実行すれば良いのかまで併せて伝えるようにしています」(エートゥジェイ・座間氏)

株式会社エートゥジェイ 統括マーケティング責任者 座間保氏
株式会社エートゥジェイ 統括マーケティング責任者 座間保氏

 メルカートの強みは、「伴走型支援」だ。SEO対策や広告運用、クリエイティブの制作なども含め、毎月の定例会でPDCAを回しながらEC運営全体を支えていく。さらに、定例会の場以外でも、EC運営で困ったことがあればすぐに相談ができる関係性を構築する。

 田家氏は、自社ECサイト立ち上げ後も、座間氏に週2回ほど電話で相談。1回の電話で1~2時間かけて運営方法を細かく確認することで、不具合が起こっても迅速な対応がかなった。こうした密なコミュニケーションは、田家氏自身のスキルアップにもつながっている。

 その中で田家氏の印象に強く残っているのは、メルカートの顧客目線だ。座間氏は、野村氏や田家氏の立場からだけでなく、「iwakiのお客様ならこう行動するはず」という目線で、効果的な施策をアドバイス。iwakiの商品の良さを引き出し、広告文やLPなどにも落とし込んでいった。

リプレースでは既存顧客の購入回数などが課題に

 一方、リプレースの場合はどうだろうか。座間氏は、「今ある自社ECサイトを改善したいと考えている企業では、新規立ち上げ時とはまた違った課題が存在する」という。

「リプレースを検討している企業は、『既存顧客の購入回数をいかに増やすか』『密接な顧客コミュニケーションをどう築くか』を重視しています。つまり、『CRM施策がうまく回せていない』『EC全体の売上が伸び悩んでいる』『クーポン施策の効果がでない』などが課題となるのです」(エートゥジェイ・座間氏)

 そこでメルカートは、新規立ち上げとリプレースのどちらにも対応できるよう、3つのサポートを準備している。

 1つ目は、メルカートの基本操作を助ける「ヘルプデスク」。2つ目が、メルカートの機能の最適な活用方法をレクチャーする「カスタマーサクセス」。そして3つ目が、SEOや広告運用など、具体的な施策を提案する「マーケティング支援」だ。

 特にカスタマーサクセスでは、システムを使いこなすスキルではなく「どうすればメルカートで事業を拡大できるか」に焦点が当てられている。現時点での課題を解決し、売上を上げるところまでが、メルカートのサポート範囲だ。既にEC運営を行っている事業者に対しても、メルカートなら新たな目線から効果的な施策を提案できる。

グループ会社の機能も使い分け可能

 エートゥジェイは、パッケージ型のECプラットフォームを提供する株式会社ecbeingや、SNSを活用したマーケティングサービスを提供する株式会社visumoなどをグループ会社に持つ。そのため、グループ全体を巻き込んだ支援が可能だ。グループ会社が取り扱う各種マーケティングツールを組み合わせながら、自社ECサイトに必要な機能を取捨選択できる。

 野村氏と田家氏は、「座間氏に紹介されたvisumoのサービスが、iwakiの自社ECサイトにフィットした」と話す。

「自社ECサイトを立ち上げる以前より、SNS運用には注力していました。特にInstagramにはお客様がiwakiの商品を使用した際のお写真が多数投稿されていたことから、『体験』『コト』の共有という部分で、ECカートと連携しUGCを積極的に活用する方法を探していたのです」(AGCテクノグラス・野村氏)

「以前から大変ありがたいことに、Instagramでは多くのお客様が綺麗な写真を投稿し、iwakiへの愛を発信してくださっていました。座間氏にvisumoを紹介された際には、重要なタッチポイントの1つとして、『ここには投資すべき』と社内で考えが一致しました。自社ECサイトにお客様の投稿を掲載することで、お客様に喜んでいただける相乗効果のサイクルができています」(AGC・田家氏)

 昨今、トレンドの移り変わりが激しさを増している。自社ECサイトに取り入れた機能が、いつの間にか陳腐化してしまうケースも少なくない。グループ全体をマイクロサービスと捉えているエートゥジェイは、日々アップデートされる各種機能を活用することで、トレンドに合わせたEC運用を促進できる点にも強みを持つ。

iwakiの成長がAGCグループのブランド力も高める

 iwakiが自社ECサイトを立ち上げてから約3年。専門用語を覚えるところから始まったが、現在はSNSごとにコミュニケーションの仕方を変えるなど、自社ECサイトの運営に関連した施策のレベルも以前より上がっている。さらなるスキルアップを図りながら、今後どのようなブランドを目指すのだろうか。

「3年前は、Instagramで『映えた』画像を掲載すれば間違いないと思っていましたが、今はそれだけではお客様のエンゲージメントが上がらないと気づきました。これからもEC運営を続けていくためには、お客様とのタッチポイントのハードルを下げ、CXを最適化させる。そして何より重要なのは、『新鮮味』です。時代の流れに合わせて変化できなければ、お客様も離れていくでしょう。この先も、メルカートと伴走しながら1つひとつ課題をクリアしていきたいですね」(AGCテクノグラス・野村氏)

「一般的に、『iwaki=AGCグループ』という認識はまだ十分に浸透していないと思います。お客様との双方向なコミュニケーションを地道に続け、iwakiのブランド力を高めることで、AGCグループのイメージアップにもつなげたいですね。メルカートを活用したECサイト運営やマーケティング施策は、iwakiだけでなくAGCグループ全体のブランディングにも寄与すると思っています」(AGC・田家氏)

 伴走しながらともにiwakiのEC運営を成長させてきた座間氏は、「1年目のときに比べると、SNS運用なども含めて話している内容のレベルがまったく違う」と語る。iwakiが目指す次の目標に向かって、エートゥジェイは、引き続き支援を行っていく。

「iwakiのマーケティングスキルがかなり高くなっていますが、当社としても勉強になる点が多くあります。これからもiwakiのEC運営を支えていきたいです」(エートゥジェイ・座間氏)

データ活用の力で「売上アップ」と「コスト削減」を実現!

メルカートは商材や業種に関係なく利用できるECプラットフォームです。豊富なマーケティング機能により分析から施策実行までシームレスに行うことができます。売上が伸び悩んでいるお客様は、ぜひ一度公式サイトよりご相談ください。

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提供:株式会社エートゥジェイ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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