ひとり・少人数運用でも手が回る機能提供を チャレンジを後押しするBASE
小売店を営む一家で育った鶴岡裕太さんが、代表取締役CEOを務めるBASE。ネットショップ作成サービスを開発・リリースしたきっかけは「『ネットショップを開設したい』という家族の声がきっかけであった」と山村さんは語る。
「当時はまだ、HTMLやCSSの知識がない状態で自社ECを始めるにはハードルが高い時代でした。すでに個人ブロガーの台頭など、インターネットを通じて個の力に注目が集まる一方で、こうした場を用いてビジネスをする難しさが存在する。親世代など、年代・性別を問わずオンライン上で経済活動の拠点を持てるようにするにはどうすべきか、と考えた結果、誕生したのがBASEです」
「誰でも簡単にネットショップが作成できるサービス」をコンセプトに、個人やスモールチームが使いやすいUI/UXにこだわり機能拡張を進めてきたBASE。2012年に3.11%であった日本のBtoC-EC化率も、2021年には8.78%を記録する(経済産業省調べ)など大きな変化があった10年だが、BASEとしてはこの動きをどう見ているのだろうか。
「インターネットを通じてものを手に入れるだけでなく、オンラインという場を使って自らのお店をオープンする、商売を始めることが当たり前の時代に変化したと感じています。実店舗を持つ方がオンラインに進出するだけでなく、オンライン発のブランドが数多く生まれているのも、この10年の特徴です」
加えてこの10年を語る上で外せないのが、2020年以降の新型コロナウイルス感染症拡大による影響と言えよう。
「BASEにとっては、2019年10月に株式上場し、組織体制強化に踏み切っていたタイミングで押し寄せたコロナ禍でした。世の中の急速な変化と同時にメンバーも増え、この数年は流通額増加によるサーバー増強や機能アップデートなどにも積極的に取り組んでいます。
なお、第1回緊急事態宣言が発令された後の2020年5月から2021年5月までで、BASEの新規ショップ開設数は50万ショップを記録しました。実店舗の営業が難しい中で、多くの方が売上を作るための新たなチャレンジとしてBASEを活用してくださったと、私たちはとらえています。同時にオンラインでものを買うという行為が消費者側にも定着し、開設時期を問わず、上手に運用をしているショップ様は事業規模を大きく拡大している点も特徴と言えるでしょう」
注文数や売上が伸びれば、当然ながらタスクも増加する。個人もしくは少人数で運営するショップに向け、BASEではカスタマーサポートの体制強化、多様化するニーズに応じた機能アップデート、拡張機能(Apps)追加などで対応してきた。
「注文数や売上が大きく伸びているショップ様でも、人を雇うことは容易ではありません。また『自分のブランドなので、目の届く範囲で運営をしたい』という意向を持つ方が多いのも、BASEに出店するショップ様の特徴です。そのため、注文管理画面や顧客管理機能のアップデート、複数人でショップ運営を行う際に閲覧・アクセス権限を厳密に管理する『スタッフ権限管理 App』をリリースするなど、効率的な運営、負荷や手間の軽減に役立つような改善を行ってきました。2022年4月にリリースした、利用料・決済手数料を軽減するグロースプランもこうした取り組みのひとつです。すでにアクティブに販売を行っている約半数のショップ様が同プランを選択しています」