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季刊ECzine vol.23特集「Social merges with OMO~垣根なきコマースを実現する発想とテクノロジー~」

富澤商店が挑むソーシャルコマース コミュニティが醸成する安心・納得して買える場が持つ強さ

 創業103年の老舗が共感軸で事業を新フェーズに。垣根を超えた交流から生まれる次世代コマースとは。 ※本記事は、2022年12月25日刊行の『季刊ECzine vol.23』に掲載したものです。

 1919年に創業し、各種製菓・製パンの材料や器具・道具を販売する株式会社富澤商店。約9,000点もの品揃えを誇るBtoC向け自社ECは、コロナ禍による需要拡大から2年4ヵ月の間に会員数が25万人増。SNS フォロワー数も2021年12月から2022年11月の1年間で約28万人増加するなど、勢いを見せている。

 そんな同社が売上伸長と安定運用に欠かせない物流改革と並行して、新たな顧客との出会いを生むために取り組むのが次世代ソーシャルコマース事業だ。特許AI技術を用いてデータ分析・ソーシャルメディアマーケティング支援などを手掛けるAIQ株式会社と協業し、具体的にどのような施策を考えているのか、取り組みの目指す先などについて富澤商店でコミュニケーション部 部長を務める岩井一紘さんに話を聞いた。

株式会社富澤商店 コミュニケーション部 部長 岩井一紘さん

需要増を機に物流・顧客接点を見直す

 全国90ヵ所で直営店舗を運営し、コロナ禍以前よりBtoB・BtoC双方に向け自社ECを展開してきた富澤商店。2020年春の緊急事態宣言以降、「おうち需要」の増加により予期せぬスピード感で需要が拡大。EC売上が前年比の約2倍に伸びた時期もあったが、「同時に物流などインフラ面の課題が浮き彫りとなった」と岩井さんは語る。

「急激な変化に対応できず、出荷をお待たせしてしまう、やむなく停止するといった事態が生じました。最終的にEC売上はBtoB、BtoCを合わせて前年比約132%となりましたが、各フローが整っていればよりお客様の需要に応えることができたと考えています。そこで、物流機能の強化に着手しました」

 2020年の店舗事業の売上は前年比約97%と、思うように営業ができなかった時期を鑑みても比較的コロナ禍の影響が小さかった富澤商店。岩井さんはこの理由を「ロングテール商品の多さや、以前から来店時にまとめ買いするスタイルの顧客が多いため」と分析するが、店舗需要の回復を待つだけでなく、「ECのポテンシャルに着目して利便性向上に取り組んでいる」と続ける。

「たとえば、自社製造商品の需要予測精度を高めたり、EC注文から発送までのリードタイム短縮に着手しています。ゆくゆくは、首都圏など対応可能な地域での当日配送も実現したいですね。なお、効果を可視化しやすい部分だけでなく、新規顧客との出会いや既存顧客との接点強化につながる部分にも投資をすべきと考え、2022年8月に発表したのが次世代ソーシャルコマース事業です。

 近年はプレイヤーが増えていますが、従来の製菓・製パン材料・器具販売はブルーオーシャンと言える領域でした。提供する商品やサービスに自信を持ちながらも、競合が少ないからこそ支持を獲得できていた部分もあると思っています。新規市場の開拓、お客様との接点強化が経営においても重要課題となっており、新たなコミュニケーションの枠組み構築に挑んでいる状況です」

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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