成長優先で赤字は過去の話!? 利益余剰金に注目
次表は、アマゾン、メタ、ツイッター、それにテスラの21年12月期のバランスシート(貸借対照表)である。
資産規模は、アマゾンが他社を圧倒。ツイッターはアマゾンの3.3%、メタに比べても9%弱の規模に過ぎない。「テスラ+ツイッター」でも、メタを下回る。アマゾンとの比較では、やっと5分の1といったところだ。
注目したいのが資本に組み込まれる利益剰余金である。内部留保とも呼ばれもので、創業時からの利益の蓄積を示す。
「利益よりも成長」を追求してきたアマゾンもクラウドビジネスを中心に利益を積み重ね、21年12月期は859億ドル(1ドル140円換算で約12兆円)、メタも697億ドル(10兆円弱)だった。
一方、ツイッターは累積赤字からの脱却は未達のまま上場廃止となった。EVメーカーのテスラは21年に93万6,222台を販売したことで3.3億ドルの利益剰余金を計上するようになったが、20年12月期は約54億ドルの赤字だった。
ペンシルバニア大学で物理学を学んだマスク氏に対しては、発明王トーマス・エジソンの現代版という評価もある。テスラからの現金報酬を受け取らず、所有するテスラ株21.2%(21年12月期)の一部を売却してツイッターの買収資金に充当したとされる。凍結していたトランプ前米大統領のアカウントを復活させるなど、ツイッターをどのように導くのか。
ツイッターの利用者は約2億4,000万人(22年6月現在)、日本は米国に次ぐ市場である。