SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

今からでも遅くない! 越境EC市場拡大の心得

欲張ってもうまくいかない越境EC 押さえておきたい価格・配送・セール戦略をBento&coが伝授


 売上アップに向け、越境EC展開を検討する日本のEC事業者は増加傾向にあります。しかし、自社ECサイトで海外在住の顧客に向けて日本の商品を販売するには、ブランディングから商品をスピーディーに届けるための配送方法の設定など、さまざまな海外向けの戦略策定が欠かせません。当連載では、弁当箱輸出事業「Bento&co」での越境EC経験を活かしながら、送り状発行システム「Ship&co」でEC事業者の発送業務を支援する株式会社BERTRAND 代表のベルトラン・トマさんが、D2C×越境ECで事業を成功に導く秘訣を解説します。第1回のテーマは、「越境EC着手時に注意すべきポイント」についてです。

2006年からShopifyを触って知った、越境EC展開における3つのメリット

 こんにちは、株式会社BERTRAND 代表のベルトラン・トマです。私は、2008年に約5万円の在庫で、弁当箱販売ショップ「Bento&co」をShopifyで立ち上げ、越境EC販売を始めました。Shopifyセラーとして日本から海外へ弁当箱を販売しながら、ShopifyでECを構築する事業者向けの発送アプリ「Ship&co」の開発を行い、現在に至ります。

2008年から弁当箱の越境ECを行う「Bento&co」

 当連載では、ShopifyでD2Cや越境ECを始めるメリットやこれらの事業をスモールスタートで行う際の注意点、ぶつかりやすい壁やそれらの解消法について紹介できればと思います。

 私とShopifyとの最初の出会いは、Bento&co事業開始前にさかのぼります。2006年に当時勤めていた日本企業でShopifyのベータ版を利用し、ショップを立ち上げました。当時はまだベータ版ということもあり、利用料は無料で、登録作業もとても容易にできたことが印象に残っています。この経験からShopifyの使いやすさに魅了され、2008年にBento&coを立ち上げようとした際にも、迷わずShopifyを選択しました。

 当時、日本で自社ECサイトを構築して越境EC販売を行おうとすると、ウェブデザインやコーディングなどのスキルが必要、かつ自社でサーバーを準備しなくてはならないECカートが多い状況でした。ところが、ShopifyはSaaS型のプラットフォームであり、限られた予算、時間の中でも複雑な技術を要することなく自社ECサイトを構築することが可能です。越境ECに取り組むことができる点も、Bento&coでやりたかったことと合致していたため、相性が良かったと言えます。

 私が考える、Shopifyで越境ECを行うメリットは主に3つあります。ひとつめは、SaaS型サービスで設定が容易にできるという点です。テーマの設定など多くの機能を有し、料金プランも多様なため、EC展開未経験もしくは初めての起業で資金や人手が少ない場合も、すぐに事業をスタートすることができます。私も起業当初は、自宅マンションの1室から商品発送を行っていました。

 ふたつめは、SEO対策強化に向けた取り組みがしやすい点です。自社ECサイトを運営するにあたり、SEO対策による集客は必要不可欠です。Shopifyには、ブログ機能、商品ページ機能など、Google検索で上位に表示されるための対策ができる機能がきちんと備わっています。また、こうした機能の効果を高めたり、作業の効率化を実現できるShopify アプリも多数存在するため、うまく活用すればSEOに強い自社ECサイトを作ることが可能です。

 ただし、こうした利点を存分に活かすには、Shopify上のSEO設定やShopify アプリなどを活用して何ができるか十分に把握する必要があります。Shopify事業者として、日々の情報収集が欠かせないことも念頭に置いておきましょう。

 3つめは、グローバル化・ローカル化に対応できる点です。多言語対応のみならず、多通貨や各国に合った決済方法、関税、発送、通知まで多種多様な機能が備わっています。海外展開を行う上で非常に柔軟性が高いECカートであると言えるでしょう。

 なお、Shopifyにはマーチャント(EC事業者)だけでなく、Shopify アプリ開発パートナー、Shopify ストア開発パートナー、Shopify コンサルタント、関連サービスを運営するパートナーなどの間で「Shopify エコシステム」が構築されています。これまでも、同エコシステムに加わるさまざまな人々の力により、利便性の高い機能が生まれてきました。また、Shopifyの興隆とともに同エコシステムもさらに大きなものとなっています。こうしたコミュニティ活動がさかんな点も、ほかのカートシステムにないShopifyの特徴です。こうしたメリットをうまく活用すれば、日本国内でのEC販売、海外各国への販売網拡大も夢ではありません。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
必ずしも同一価格で売る必要はない 送料・市場特性を踏まえて判断しよう

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
今からでも遅くない! 越境EC市場拡大の心得連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

株式会社BERTRAND BERTRAND THOMAS(ベルトラン トマ)

2003年に京都大学留学を機に来日。2004年、フランスグルノーブル政治学院卒業後、日本に関するブログを書き始め、2005年、1日の閲覧数が800人になるほどの人気がきっかけで、2008年、Bento&co(弁当箱輸出入販売事業)をスタート。2016年、Bento&coの事業経験を活...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/11806 2022/10/11 15:32

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング