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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECzine Day 2022 August レポート(AD)

ダイナミックな売り場作りに欠かせない顧客の声 ソーシャルメディア化するEC×店舗の可能性とは

 Cookie規制の本格化が進む中、多くのブランド・メーカーにとって、今後どのように顧客とのエンゲージメントを構築し、高めていくかが大きな課題となっている。店舗を有する場合は、店舗のデジタル化やOMOがその打開策となるだろう。2022年8月30日開催の「ECzine Day 2022 August」にて、ZETA株式会社 代表取締役社長 山崎徳之氏が登壇。エンゲージメントポイントとしての店舗の強み、店舗に取り入れるべきデジタルマーケティングの要素、ECとの連携・融合で生まれるメリットなどについて解説した。

本格的なCookieレス時代へ 店舗活用に改めて目を向ける

 2022年7月、GoogleはサードパーティーCookie廃止の時期を2024年後半に延期すると発表した。当初は2023年までに段階廃止としていたため1年延期された形だが、残された期間はそう長くない。すでに日本でも、改正個人情報保護法によりCookieを活用したデータの収集・利用には同意取得の義務が課せられており、Cookieレスの時代は始まりつつあると言えるだろう。

 Cookie規制が本格化すれば、リターゲティング広告などデジタルマーケティングにおける従来型の手法を用いた顧客へのアプローチが困難になる。今後、ブランド・メーカーは「どのように顧客とのエンゲージメントを築き、高めていけば良いのか」という課題に取り組んでいく必要があるのではないだろうか。

 こうした中で近年、アメリカを中心に急速に発展しているのが、リテールECサイトを広告媒体として活用する「リテールメディア」だ。広告主であるブランド・メーカーにとって、リテールメディアへの広告配信はECサイトの購買データをはじめとしたファーストパーティデータを活用できるため、より高い精度でパーソナライズされた広告アプローチが可能になるというメリットがある。もちろん、広告媒体となるECサイト側にとっては、新たな収入源の確保・拡大につながる。

 つまり、リテールメディアとしてのECサイト活用はCookieレス時代のアプローチとして注目されている状況と言えるが、山崎氏は「むしろ『店舗』に改めて目を向けるべき」と主張する。

ZETA株式会社 代表取締役社長 山崎徳之氏

「リテールメディアの『メディア』は一般的にECサイトを指しますが、『リテール』とは本来、ECだけでなく店舗をも含む概念です。言葉の意味だけの話ではなく、実は店舗もデジタルマーケティングにおけるメディアになり得る。この認識の有無が、今後のビジネスを大きく左右します」(山崎氏)

 店舗をメディアとして活用するには、いわゆる「店舗のデジタル化」が求められる。その鍵を握るのが、顧客にシームレスな購買体験を提供するOMO(Online Merges with Offline)の取り組みだ。

「店舗のデジタル化は、OMO実現に欠かせない要件でもあります。店舗はそもそも『商品』という強力なコンテンツを持ち、顧客が実際に商品を見て、触れて、体験できる重要なタッチポイントです。デジタルマーケティングが誕生する以前から、店舗はマーケティングの原点と言える場所でした。そこに、デジタルならではのダイナミック性やパーソナライズといった強みを融合させることが求められています」(山崎氏)

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 ただし、こうした取り組みによって目指すのは「狭義のメディア(広告配信媒体)化ではない」と山崎氏は続ける。

「そもそも広告はあくまでも手段であり、目的は顧客とのエンゲージメント構築・強化です。その実現のために、店舗をより強力なタッチポイントとして活用することが重要となります」(山崎氏)

ソーシャルメディア化が進むEC ハッシュタグ活用で高まるレビュー、Q&Aの有用性

 山崎氏によると、OMOの必須要件である店舗のデジタル化のファーストステップは、ECで活用されているデジタルマーケティングの技術や手法を店舗にも取り入れ、活用できるようにすることだと言う。ECでの活用実績・ノウハウが蓄積されており、店舗でも活用すべきマーケティング要素の例として、山崎氏はまず「レビュー」を挙げた。

「購買行動のスタート段階で商品のレビュー情報を検索・参照することは、今や当たり前になっています。購入検討段階のユーザーにとって、ブランド・メーカーによる一次情報はもちろん重要ですが、実際にその商品を購入・使用したユーザーが発信するUGC(User Generated Contents)、つまりレビューのほうがより信頼性の高い情報として重視される傾向にあります」(山崎氏)

 そのレビューの進化系が「Q&A」だ。購入検討段階のユーザーが投稿した質問に対し、すでに商品を購入した顧客や店舗スタッフ、ブランド・メーカーの担当者が回答するスタイルは、インタラクティブなUGCと言える。

「Q&A投稿を行う顧客はアグレッシブな傾向があります。そのため、購買につながる期待値の高い顧客との貴重なエンゲージメントポイントとなり得ます」(山崎氏)

 レビューやQ&Aの活用が進みデータが大量に蓄積されると、知りたい情報が埋もれてしまう、散在する関連情報が見つからないといった状況に陥りやすくなる。そこで有効なのが、SNSですでに活用されている「ハッシュタグ」だ。

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「レビューやQ&A、商品説明のテキストからキーワードを抽出してハッシュタグとして紐づけることで、複数商品間、商品とレビュー間、複数レビュー間などを有機的につなぐことが可能です。これにより、顧客は知りたい情報や気づかなかった関連情報などをスムーズに入手できるようになります。ハッシュタグによる情報の整理・関連づけが、膨大なUGCから有用な集合知を導き出す上で非常に役立つのです」(山崎氏)

 多くの情報が掲載され、インタラクティブな交流が活性化するECサイトは、ソーシャルメディア化が進んでいると言っても過言ではない。山崎氏は「2025年には、ソーシャルコマースが3倍の規模になると言われている」と補足した。

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 なお、こうしたレビューやQ&A、ハッシュタグを店頭でも顧客に活用してもらうには、顧客が店舗にいる際に自身のスマートフォンから容易に自社ECへアクセスできる環境を用意する必要がある。たとえば、レビューやQ&Aページにアクセスできる二次元コードを商品ごとに提示しておく。もしくは、売り場に設置したデジタルサイネージやタブレットに最新のレビューを表示するなどの方法だ。

「来店したユーザーが他社ECサイトにアクセスして購入まで進んでしまうことを防ぐ意味でも、売り場における自社ECへの誘導の仕組みは不可欠です」(山崎)

「ストアモード」で店頭の体験を高める アメリカのモバイルアプリ事例

 ECと店舗の顧客データ統合が実現した後は、店舗でもECの購入履歴などを参照して顧客の属性やニーズに合わせた接客を行う、来店時など最適なタイミングでクーポンを発行し購入を促進するなど、ダイナミックかつパーソナライズされた顧客対応を実現するのが理想だ。

「海外では、すでにこうしたダイナミックな売り場作りや店頭接客のパーソナライズ化などの取り組みが非常に進んでいます。その実現手段として多くの先進的企業で採用されているのが、モバイルアプリに搭載された『ストアモード(店内モード)』と呼ばれる機能です。顧客が来店すると自動的にストアモードに切り替わり、店内での買い物をさまざまな角度からサポートします」(山崎氏)

 山崎氏は、こうした先進的なモバイルアプリの事例として、アメリカのWalmartやThe Home Depotを紹介した。それぞれ機能に違いはあるが、商品在庫や陳列場所の確認、買い物リストの作成、BOPIS(Buy Online Pick-up In Store:店頭受取サービス)といった基本的な機能のほか、ECも含めた購買履歴データに基づくレコメンドや店頭クーポン発行をリアルタイムで行う機能を提供するケースもある。こうしたストアモード機能は、小売だけでなくNIKEなどの有名アパレルブランドでも活用されていると言う。

 店舗のデジタル化を含むOMOは、このほかにも在庫データの一元管理・最適化による販売機会損失の防止というメリットをもたらす。

「ECと各店舗の在庫データを連携して一元管理することで、店舗では来店前の顧客からの在庫確認やリアルタイムの他店舗在庫案内、倉庫やセンターからの商品直送などに対応可能となります。これは商品の在庫切れによる販売機会損失を防ぎ、店舗の売上増加、さらにはCS向上にもつながります」(山崎氏)

 ECと店舗の在庫の連携がかなえば、BOPISやBORIS(Buy Online Return In Store:EC購入商品の店頭返品サービス)への取り組みも可能となる。こうしたサービスはECの利便性向上のみならず、店舗来店時のついで買い促進にも期待ができる。

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 山崎氏は、日本でこうしたOMOの取り組みを展開する手段のひとつとして「ZETA CXシリーズ」を紹介。同シリーズは、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」、レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」、OMO・DXソリューション「ZETA CLICK」、ハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」など、さまざまなソリューションを提供している。

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 アダストリアのモバイルアプリ「.st(ドットエスティ)」アーバンリサーチの自社EC「UR ONLINE STORE」など、すでに多くのブランド・メーカーがZETA CXシリーズを活用していることからも、新たな売り場作りの重要性がうかがえるだろう。最後に山崎氏は、2022年7月に提供を開始したZETA HASHTAGについて触れながら、こうセッションを締めくくった。

「ZETA HASHTAGはリリースしてまだ数ヵ月ですが、すでに多くのお問い合わせをいただいています。今後、日本国内のECサイトにおいても、レビュー、Q&A、ハッシュタグを組み合わせた活用事例が増えていくでしょう。ぜひ期待していただければと思います」(山崎氏)

 ▼ZETAが提供するECマーケティング・リテールDXを支援するソリューション「ZETA CXシリーズ」の資料は、資料ダウンロードページよりダウンロードいただけます。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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