オーガニックも広告もリッチに ソーシャルコマースの流れへ
毎年恒例となった、Googleが広告プロダクトのアップデートを発表する年1回のイベント「Google Marketing Live」が、2022年5月に開催された。そこで紹介された小売とショッピングの機能に関しては、Google広告ヘルプページに11のトピックスとしてまとめられている。ポイントを岡田さんに解説してもらった。
「まず、Googleを使ったショッピング体験について、より使いやすく、購買に結びつきやすいインスピレーションを得てもらうためのアップデートを強調しています。『1. より視覚的なインスピレーションをGoogle 検索のユーザーに提供します』や『2. マルチ検索により、ユーザーが商品を見つけやすくなります』に象徴されるように、検索結果に表示される画像や動画を増やし、よりビジュアル重視にしていく方針がうかがえます」
従来、Google検索はテキストをメインとしていた。検索は必要な情報にたどり着くための手段であり、目的により速くたどり着けるほどユーザーのためになるという理由からだ。だが、Google検索が提供された当初と比較すると現在の通信速度は劇的に上がり、画像表示によるレスポンスの差は微々たるものになった。またショッピングが目的となると必ずしもテキストだけの情報提供が最適とは言えないだろう。
オーガニックがビジュアル重視になるのであれば、広告はさらにリッチな表現が求められる。「5. 視覚に訴える広告エクスペリエンスを Google 検索でユーザーに提供して、商品をアピールしましょう」、「7. YouTube ショートとYouTube 検索の商品フィードを活用できます」がそれを物語っている。
「ショッピング広告用の画像そのものが重要になってきます。ヘルプページのサンプルを見ていただければわかるように、シンプルな物撮り画像ではなく、モデルが着用したり、実際に利用しているシーンのビジュアルが掲載されています。視覚に訴え、ユーザーがその商品を具体的に想像しやすくするわけです。そしてこのビジュアル重視の流れは、ソーシャルコマースの流れにつながっていくものと見ています」
なお、「4. ユーザーの購入プロセスを効率化します」の項目については、当初「Googleから直接、広告主様のウェブサイトの購入手続きプロセスに直接進むことができます」とだけ説明が記載され、一部のEC事業者のアカウントで実験が進められていたようだ。そして、7月に発表されたのがShopifyとYouTubeの提携である。インフルエンサーが利用する管理画面YouTube Studioに商品情報が連携され、YouTubeの動画を通じて販売できるというものだ。