さっしーのツイートがきっかけで、ブランド支援側から運営側へ転身
新卒であるECモール運営企業に入社し、複数のアパレルブランドの販促プランニングやプロモーション、SNS運用、ウェブマガジンの立ち上げに携わってきた中田さん。支援する中で、ブランド側にマーケティングの知識が不足していることによるモールでの売上アップと知名度、ブランド力向上を両立させる難しさに直面したと言う。
「もちろんモール出店することにより商品が多くの方の目に触れる可能性は上がりますし、EC売上アップにもつながります。しかし、すでにブランド名が広く知れ渡っている場合を除いて、モール内で指名買いやリピート購入を促すことはなかなか難しく、結果的にセールやクーポン発行などといった割引訴求や価格競争に巻き込まれ、疲弊してしまうケースをたびたび目撃してきました。
たしかに多チャネル展開もEC戦略としては欠かせませんし、ECモールで露出を増やしてあるアイテムが爆発的に売れ、ランキング上位を獲得できれば売上は大幅にアップします。しかし、価格など商品そのものの良さではないポイントで一時的に支持を獲得しても、ブランド名の認知やリピートにはなかなかつながりません。利益率や運営にかかる工数、ブランドとして長く生き残るためにすべきことを考えた際に、SNSなどで顧客と交流を図りながら自社ECで指名購入してもらえるブランド力を身につけ、きちんと一定の売上を作る基盤を整えることが第一であると考えました。こうした基本ができた上で、売上につながるプロモーション要素としてECモールを活用するのが理想だと私は思っています」
前出した考えを基に、ブランドの価値向上を支援すべく3rd株式会社に転職した中田さん。あくまで支援側の立場でキャリアを築くことを想定していたが、あるツイートをきっかけに人生が思わぬ方向に動き始めたと言う。
「2019年にタレントの指原莉乃さんのツイートを見て、イメージコンサルタントのRANさんの存在を知りました。『骨格診断っておもしろそう。私も自分に似合う服を知りたい』と思い診断予約をしようとしたところ、4ヵ月先まで予約が埋まっていて驚いたのですが、診断後に自分の骨格がわかってもECではなかなか適した服にたどり着くことができず、モヤモヤした気持ちを抱いたのです。
検索で上位に上がっているサイトはメディアばかりで直接購入することができず、モールや自社ECを見ても素材感まではなかなかわかりません。せっかく自分に似合う服を把握しても、ECで服を購入する派の私は『探すのが面倒だな』と思ってしまいました。そこで『骨格別に似合う服を提案してくれるブランドがあれば買いやすいのに……』とアイディアを形にして社内提案したところ、『自分でブランドを作ってみたら?』となり、Réonieが始動しました」