Eコマースの利便性はBtoBでも有効
店舗を運営するには、もちろん商品や、飲食店であれば食材、美容室なら薬剤などを仕入れる必要があります。さらにそれ以外にも、什器、ユニフォーム、ショッパーや包み紙、清掃用の消耗品や手指消毒用のアルコールなど、さまざまな物が必要です。こういった物品は、従来は、それぞれの業者(サプライヤー)に電話やファックス、メールなどで発注して届けてもらうのが一般的でした。
これは、意外と手間がかかりますし、電話がつながらなかったので後でもう一度かけようと思って忘れてしまったとか、発注内容の聞き間違い、発注メールをサプライヤー側が見落としてしまったなどの手違いも起こります。メールを送った後で、確認のために電話をかけるなど、本末転倒なことが行われることもあるでしょう。
しかし、物品の手配方法がECサイトになっていれば、24時間いつでも発注できますし、商品と個数を購入者側が入力するので、間違いも起きません。とはいえ、各サプライヤーがそれぞれ個別にECサイトを立ち上げていると、店舗側にとってはそれぞれのIDでログインして、微妙に違うUIのサイトで購入することになり、便利さの面ではもう一歩と言えます。
BtoBのECサイトに必要な仕組みとは
チェーン展開している店舗ビジネスの場合には、同じサプライヤーから同じようなものを購入する店舗が複数ある状態になります。このため、フランチャイズの加盟店向けにワンストップで必要なものが手配できるECサイトがあると、店舗にとっては非常に便利になります。これは、大手コンビニなどでは既に導入されていて、手元のタブレットでいつでも簡単に発注できるようになっています。
そのようなECサイトで求められるのは、マーケットプレイスという仕組みです。通常、BtoCのECサイトでは、ひとつの販売者と多数の購入者、つまり「1 対 多」という関係になっています。しかし、店舗で必要な物品は多種多様ですから、店舗向けのECサイトでは売り手と買い手が「多 対 多」の関係になります。ひとつのECサイトに複数の販売者が商品を出している状態がマーケットプレイスで、BtoCでもAmazonや楽天など、大規模ECプラットフォームではこの形態になっています。