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季刊ECzine vol.02 定点観測

Amazonプライムデーの効果は一部に限定 KDDIグループのWowma!台頭か


 ECにかかわるプラットフォーマーの動向や、ユーザーを引きつけるキャンペーン施策、 クリエイティブ活用などについて、四半期に一度、各分野のプロにポイントを聞く「定点観測」。今季は、Googleの影響の大きさ、動画活用の進行、LINEとの連携、新しい決済の台頭が目立った。自社に関連するポイントをおさえ、来る年末商戦に備えよう(※本記事は、2017年9月25日刊行の『季刊ECzine vol.02』に掲載したものです)。

フレッシュとFBAで一気に食品強化
プライムデーはサイトが落ちる騒ぎ

 モール運営においても、昨今の物流問題の影響は大きかったと高木さんは言う。

「配送会社から値上げ交渉があり、ためらうと契約が打ち切られるという話が相次ぎました。ショップさんとしては、配送会社を変えたり、いっそAmazonのFBAにすべて預けてしまおうかとおっしゃる方もいらっしゃいます。FBAは、Amazon以外のサイトで売れた場合も、出荷できますから」

 その流れで高木さんが感じたのが、Amazonが食品ジャンルを強化していること。

「FBAのキャンペーンとして、2017年12月まで、日用品・食品の販売手数料が割引になるというのが行われています。今はまだ、冷蔵・冷凍など温度管理が必要なものは預けられませんが、Amazonフレッシュでは当然扱えますから、今後、変わってくるのではないでしょうか」

 食品はそれほど得意ではなかったように見えたAmazon。フレッシュの提供をきっかけに、得意の物流面から、一気に巻き返しを図っているのかもしれない。

 Amazonといえば、2017年7月10日18時から開催されたセール「プライムデー」。開始当初はアクセスが殺到したのか、一時的に犬の画像が表示されるなどして、実際のショッピングは行えずに話題になった。販売する側から見ると、今回のプライムデーはどのように変化したのだろうか。

「セール商品の募集の方法が変わりました。ショップさんが利用する管理画面『Seller Central』に、『タイムセール』という広告メニューができました。そこに『御社のこの商品だったら、タイムセール広告に出稿できますよ』というふうに、自動的に対象商品が表示されるようになったんです。昨年はAmazonから声がかかったショップしか出品できなかったのですが、今年はその仕組みが変わりました。よく見ると『プライムウィークに出稿できます』と書かれているので、必ずしも7月10日18時からの『プライムデー』に出品できるとは限らなかったようですが」

 販売者が選ぶのではなく、管理画面に対象商品が自動で出てくるとは、Amazonらしさを感じる自動化だ。

「価格も販売数も、決められているんですよね。また、在庫はプライムデーが始まる前にも商品が売れれば減りますから、常に下回らないよう補充し続けなければならないのも特徴的です」

 セールともなれば、通常より価格を下げなければならない。そのコントロールが、販売者に委ねられないのはなかなか厳しいところ。 「2016年にプライムデーに出られた、通常でも売れているショップの社長さんに聞いたところ、『目が飛び出るほど売れる』そうです。ですから、当社のクライアントで出品できる可能性があるところには、赤字であっても『参加しましょう』とオススメしています。

 プライムデーはお祭りですし、そこで販売実績がつくことによってランキングがより上がるなどして、その後の売上につながるでしょうから」

 プライムデーを終え、Amazonの発表によれば、売上は日本のプライムデーにおいて過去最高に。Amazonのセールではいつも、Amazonデバイスが売れるが、今回ベストセラーとなったのはテレビにつなぐと映画等が見られる『Fire TV Stick』だった。Amazonデバイス以外のベストセラーは、ザバスのプロテインとなっている。高木さんはプライムデーについてこう総括する。

「たとえば楽天市場のスーパーセールでは、参加していないショップさんもお祭りに乗じて売上の伸びを見せることが多いのですが、プライムデーの場合は、売れるショップさんが限定されるイメージを受けました。

 また、プライムデーのタイムセールに選ばれた商品はよく売れたのですが、プライムウィークに選ばれた商品はそこまで伸びませんでした。今後、プライムデーをきっかけに、プライムデーに選ばれた商品だけでなく、Amazonに出品しているすべてのショップさんの売上アップにつながるようなことがあるのか、見ていきたいと思います」

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