クロス・マーケティングが2021年9月に「新型コロナウイルス生活影響度調査」第23回を実施。感染者数が大幅に減少し、緊急事態宣言解除の声が各方面からあがっていた9月24日~26日に調査を行い、人々の意識・行動について分析した。
新型コロナウイルスに対する不安・ストレス度
定点指標の「直近1週間の不安度」は9p減の37%、「将来に対する不安度」は4p減の50%、「直近1週間のストレス度」は、微減の44%といずれも先月より減少。 特に「不安度」の減少は顕著である。 <図1>項目別の不安度も、「重症患者増加による病床逼迫」は7p減、「終息時期が見えない」「モラルや治安の悪化」「新型コロナウイルスの治療法がみつかっていない」は4p減であり、ほぼ全項目において減少した。
ワクチン接種率の向上、感染者数減少などから「不安度」は大きく下がったものの、全国的に行動制限の要請は続いている時期でもあり「ストレス度」の低下はわずかであった。
支出の増減・支出欲求の変化
コロナ禍の支出の実態・意識について聴取した。 コロナ禍以降、支出が「とても+やや増えている」は29%。
また、現在“お金を使いたい”“何かを買いたい”気持ちは、「とても+やや強くなっている」が25%であり、支出への意欲がうかがえる。 性年代別にみてみると、女性20代・40代の支出が増加。 支出欲求は、男女ともに20代、女性30代の若い世代で高い。
一方、コロナ禍で支出に関して経験したことでは、「大量に買いだめしてしまった」が女性30代、「普段買わないものを買ってしまった」は女性20代、「現実逃避での支出が増えた」は女性20~30代で高い結果であった。 若年層のなかでも特に女性は、現在も今後も支出に前向きといえる。
項目別支出の増減・支出意向
項目別の支出では、コロナ禍で「光熱費」「食生活」「育児・子供の教育」が増加。 「人との付き合い」「レジャー・旅行などの趣味」が大幅に、次いで「衣服や化粧」「交通費」の支出が減っている。
現時点の支出を今後どのようにしたいか聴取したところ、全般的に節約意向がやや強いものの「レジャー・旅行などの趣味」「貯蓄・投資」には“もっとお金をかけたい”気持ちが強かった。
逆に“もっと節約したい”のは「光熱費」「通信費」「食生活」である。 在宅勤務やオンライン授業などで増えた支出を趣味や娯楽または将来を見据えた貯蓄や投資にシフトしていきたい様子がうかがえた。
気になる商品・サービス
最近気になる商品やサービス(自由回答)では、我慢の限界もあり、「トラベルズー」など旅行関連、ワーケーションやおこもり需要の「HafH」「ホテルのサブスクリプション」、全国の廃棄前のパンが購入できる「rebake」、フードロスを考慮した「エシカル商品」の購入、店頭で見られるようになった「PCR検査・抗原検査キット」、長引くマスク生活を考慮した化粧品「ティントリップ」「マイクロニードルパッチ」などがあがっている。
調査概要
- 調査手法 : インターネットリサーチ
- 調査地域 : 全国47都道府県
- 調査対象 : 20~69歳の男女
- 調査期間 : 2021年9月24日(金)~9月26日(日)
- 有効回答数 : 本調査2,500サンプル