日本生活協同組合連合会は、全国の協力生協を対象に、2020年度の「家計・くらしの調査」結果を取りまとめた。有効回答数は749件。
世帯収入の月額平均は前年比14,541円減少の634,107円に。年代別で増減に差も
2019年と2020年の組合員モニターの収入を比較したところ、全体では634,107円と2019年より14,541円低い結果となった。年代別に見ても40代以上のすべての世代で2019年より2020年が低い結果となっている。しかし、30代以下の世代では2020年の平均収入が653,800円と2019年と比べると48,208円増加した(※ 世帯収入の月額平均は、年収を12ヵ月で割った金額)。
消費支出の月額平均は前年比約17,000円減少。「食費」が増え「外食費」が減少。コロナ禍で交際費・娯楽費減少の影響を受けてか、その他消費支出は30代以下を除き減少
2020年の全体の支出(月額)は349,538円で2019年より約17,000円減少した。年代別に見ると、 50代以上は20,000円以上の減少が見られたが、40代以下の支出額の減少は極わずかだった。
支出費目別では、ステイホームが影響してか全世代で食費が増え、外食費は減っている。また、コロナ禍で交際費・娯楽費が減少したためか、「その他の消費支出」は30代以下を除き減少し、特に50代以上では20,000円以上の減少となった。
また、「教育費」の項目に着目すると、全体的に減少しています。家計管理に詳しい 埼玉大学教育学部 重川純子教授は「教育費は、所得制限付きながら幼稚園や高等学校の授業料や保育園の保育料の無償化の拡充の影響もあってか減少しています。削減率は各年齢の平均では1割程度で、依然支出の中の大きな割合を占めています。授業料の問題だけではありませんが、まずは更なる支援策が期待されます。」とのコメントを寄せている。
年間収支平均は600万円未満の世帯で赤字に。400万円未満世帯では約35,000円赤字が増加
年収別に2019年と2020年の年間収支平均を比較したところ、世帯年収600万円以上の世帯で黒字幅が大きかったことが影響し、全体では778,006円の黒字となり、2019年より約23,000円高い結果になった。
年収別に見ると、600万円未満世帯では2019年同様2020年も赤字となり、400万円未満世帯では約35,000円赤字が増えていることがわかった(※不動産関連の大きな収入の影響を避けるため、「その他収入」を除く)。
消費増税の影響で全体の税負担額が増加。所得の低い世帯ほど負担率が高くなる傾向
2020年の消費税額の月平均額は23,696円と、前年より2,181円増加た。新型コロナウイルスの影響で軽減税率適用の食費が増加し、交際費、娯楽費などを含むその他の消費支出や外食費など10%課税となる支出は抑えられたが、全体で見ると税負担額が増加した。2019年10月の税率引き上げの影響が数値に反映したものと見ている。
また、消費税負担額と収入に占める割合をみると、所得階層が低い世帯ほど負担の割合が高い傾向にある。
調査概要
家計・くらしの調査
- 調査方法:インターネット
- 調査対象:全国の協力生協
- 有効回答数:749件
- 実施期間:2020年1月~12月
消費税しらべ
- 調査方法:インターネット
- 調査対象:全国の協力生協
- 有効回答数:533件
- 実施期間:2020年1月~12月