Google Cloudが、年次イベント「Google Cloud Day: Digital '21」を開催。本日行われた基調講演には、ファーストリテイリング、NTTデータ、LIXIL、ウーブン・プラネット・ホールディングス、エムスリー、日本ヒューレット・パッカードが登壇し、各社のクラウド活用の事例を紹介した。
基調講演後に行われた記者発表会には、ファーストリテイリング グループ執行役員 田中大氏とNTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 カード&ペイメント事業部 事業部長 栗原正憲氏が参加し、Google Cloudを活用した業務改革や新たなプラットフォームについて次のように発表した。
ファーストリテイリング:Google Cloudとの協業強化で顧客体験・業務プロセスを改善
ファーストリテイリングでは、「情報製造小売業」への変革を目的とした「有明プロジェクト」を推進すべく、2018年より、Google Cloudと協業。機械学習や人工知能(AI)を活用した新たな顧客体験の提供や業務プロセス改革の実現を目指している。具体的な取り組みは次のとおり。
- Contact Center AIを活用した顧客対応
- 画像認識・データ解析技術とCloud Vision APIを活用した着こなし発見アプリ「StyleHint」による、新購買体験の創造
- Google Workspace活用で、世界中の顧客・実店舗スタッフの声をリアルタイムに収集
- 3.で集めた声をBigQueryで分析し、新しい商品・サービス開発に活用
- 各情報をGoogle CloudのAI チームと推進する需要予測に組み込み、精度を向上
同社は、これらの取り組みを進めることで「無駄なものをつくらない、運ばない、売らない」というサプライチェーンの実現を目指すとしている。
NTTデータ:Digital CAFISの中核プラットフォームにGoogle Cloudを活用
NTTデータは、キャッシュレス決済総合プラットフォーム「CAFIS」を決済エコシステム全体の開発エンジンとすべく、Digital CAFISの中核となる「Omni Platform(仮称)」に Google Cloud の技術を採用している。
同社はGoogle Kubernetes Engineとマイクロサービスアーキテクチャを活用し、Omni Platformを構築。アプリケーション展開のための一貫したプラットフォームとしてはAnthosを採用し、ハイブリッド/マルチクラウド環境において、新規および既存のアプリケーションの統合管理を実現している。
このほかにも、データ主導のイノベーション推進にはBigQuery、決済システムに不可欠なセキュリティの実現についてはChronicleを利用し、市場変化への迅速な対応とサービス提供能力の強化、新たな付加価値提供を行っている。
Google Cloud Day: Digital '21は、5月25日から27日にかけてセッションを開催。Google Cloudの最新ソリューションや小売など各業種のクラウド活用、DXの最新動向を学ぶことができるほか、6月1日から3日にかけてはハンズオン祭を予定している。