NECは、マイナポータルと連携したAIチャットボットを開発し、本年2月26日から3月20日にかけて地方公共団体に向けて無償公開した。20以上の団体が利用し、そこから得られた多様なフィードバックを踏まえ、同社はマイナポータルと連携して住民にパーソナライズした回答を自動応答するAIチャットボットを「NEC自動応答」の追加機能として本年度を目途に製品化する予定だという。これにより、地方公共団体の窓口業務における問い合わせ対応を支援し、住民サービスの利便性向上と地方公共団体の職員の対応業務効率化に貢献する。
今回、同社が開発したマイナポータルと連携したAIチャットボットは、地方公共団体における窓口業務を支援する仕組みとして利用できる。具体的には、住民が住民税やふるさと納税などの制度に関する質問をAIチャットボットに問い合わせると、AIチャットボットがマイナポータルと連携して所得や世帯情報などの住民の自己情報を参照し、住民の状況に応じてパーソナライズされた回答を生成・リアルタイムに返答する。住民は来庁することなく、質問に対する適切な回答をオンラインで得ることができるようになり、住民による問い合わせの利便性が大きく向上する。
なお、今回利用した地方公共団体からのフィードバックによると、窓口における問い合わせ対応業務のうち、住民の本人確認と個人情報を参照する作業時間が、同仕組みの利用により2割程度削減できることを見込んでいるとのこと。
同機能は、最先端AI技術群「NEC the WISE」のひとつである「テキスト含意認識技術」(ふたつの文が同じ意味を含むかどうか判定する技術)を活用。今後、より効率的で公平なサービスと、人々の能力を最大限発揮できる社会の実現にむけて、税や社会保障(子ども・子育て、医療、介護、年金など)領域を起点に、住民1人ひとりに寄り添いパーソナライズされたソリューションの提供を目指す。
同取り組みは、「NEC Safer Cities」実現に向けたソリューションやサービスの開発を加速・強化するものであり、行政との共創を進め、安全・安心・公平・効率な社会の実現に貢献していく考え。