インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供するヴァリューズは、国内の20歳以上の男女25,884人を対象に、新型コロナウイルスの感染拡大によって変化した働き方や消費意識に関するアンケート調査を実施。また、一般ユーザーの行動ログとデモグラフィック(属性)情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用して、感染拡大前後のネット行動ログから消費者動向実態を調査した。
同調査結果の詳細は、次のとおり。
コロナ禍きっかけ興味の興味は年代で差 60歳以上は健康、女性は節約、20代は動画配信サービス
新型コロナウイルスの影響拡大をきっかけに興味を持ったことトップ3は、「健康、医療、病気」17.0%、「節約」15.6%、「無料動画配信サービス」15.5%。感染予防からはじまり改めて自分の健康状態に気を配る人が増えたほか、収束が見えない状況で経済への影響も広がり、節約への意識の高まりも見受けられる。また、在宅時間が増えた影響から、いままで利用していなかった動画配信サービスを利用し始めた人も増えたと推測される。
また、トップ3を性年代別に見てみると、「健康、医療、病気」は60歳以上全体、「節約」は女性20~40代、「無料動画配信サービス」は20代全体がボリュームゾーンだったことがわかる。
外出自粛で生活必需品のインターネット購入が増加 高年齢層ほど収束後もネット利用継続の傾向に
次に、新型コロナウイルスの影響拡大後、インターネットで購入・契約したものをカテゴリごとに調査。「日用品」11.6%、「食べ物の出前や宅配、持ち帰り」8.3%、「食材〈米・野菜・肉など〉」6.3%がトップ3に入り、外出自粛で買いに行けない生活必需品を、インターネットで購入した人が増えた様子が見て取れる。また、今回新たにインターネットで購入し始めた商品・サービスなどは、収束後もインターネットで購入・契約し続ける傾向が全体的に高くなっている。
さらに、日用品、洋服、化粧品について、女性年代別に見てみると、購入した割合は若年層ほど高いことが判明した。一方で、購入者の購入継続意向がある割合は、高年齢層ほど高い傾向だった。影響拡大をきっかけにネット購入を実施した高年齢層はその利便性を知り、若年層より健康・病気への不安が大きいことからも、外出を避けネット購入を継続する意向が高いと推察される。
実際にECサイトの利用者数は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手のECサイトでも、3月から4月はユーザー数が伸びていることが確認できる。ネットスーパーはよりユーザー数を伸ばしており、今まで利用していなかった層の取り込みに成功している。
日用品カテゴリでは、品不足になるというデマが拡散したトイレットペーパーに加え、洗剤や芳香剤などの閲覧も増加。従来はドラッグストアなどリアル店舗で購入していたユーザーが、ECサイトで購入するようになったと思われる。
外出自粛で休日の過ごし方に変化 家で運動を始めた人は17pt増加、掃除も9.9pt増に
外出自粛・休業要請、緊急事態宣言など刻々と広がるコロナ影響を受けて、人々の休日・余暇の過ごし方にも大きな変化が現れた。影響が長期化する中で運動不足を感じ「家で行なうことができる運動」を始めた人は17.0ptの増加、自宅のメンテナンスに割ける時間が増えたことで「掃除」が9.9pt増加している。逆に国や自治体から休業要請を受けていた飲食店や商業施設に向かうことはほとんどなくなった。
大手ECサイトにおけるトレーニンググッズの閲覧数の伸びからも、家でのフィットネスやトレーニング需要の増加がわかる。緊急事態宣言が発令された4月7日以降からは閲覧者数の伸びも顕著で、トレーニングジムが休業したり在宅勤務にともない外に出ることができなくなった人の需要が大幅に伸長した様子。
コロナ収束後は国内旅行やおでかけ、外食など外出ニーズ戻る 海外旅行やライブ・コンサートは敬遠か
コロナ収束後にやりたいことを調査すると、トップ3は「国内旅行」55.4%、「外食」51.9%、「遊園地・テーマパーク・動物園などへのお出かけ」31.8%という結果に。3月以降、旅行のキャンセルや外食を自粛していた人々のニーズは戻ってくるといえる。逆に収束が見えない海外での感染拡大の影響から、「海外旅行」の18.1%や、クラスターの発生源となったライブハウスでおこなわれる「コンサート・ライブに行くこと」の22.6%などは数値が低かった。
調査・分析概要
- アンケート対象:全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)25,884人
- アンケート期間:2020年4月30日~5月7日
- 方法:アンケートおよびインターネット行動ログの分析
※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっている。
※ウェブサイトのユーザー数はPCおよびスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※アプリのユーザー数は、Androidスマートフォンでの起動を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。アプリのカテゴリはGoogle Playのアプリカテゴリより取得。メール、Google Chrome、YouTube、Googleマップ、Gmailなどプリインストールアプリは対象外とする。