ECを運営する通信販売事業のうち、半数以上の56.2%がスマートフォンに対応。しかし、そのうちの約8割、全体回答者の44.6%がスマートフォン対応はしたものの、何らかの課題を抱えていることがわかった。
課題の内容は、「ユーザビリティー」「スマホのシステム、プログラム」「人的対応」の3方向に分類できた。その中で、約半数の回答(62件、48.8%)が「ユーザビリティー」に関するもので、「わかりやすいレイアウトになっていない」「ただスマートフォン対応にしただけ」といった具体的な課題があがった。
通信販売に関する悩み事や困り事は、「新規客の集客(55.7%、前年比+2.0%)」「通信販売事業の戦略や展開 (45.3%、前年比+2.3%)」「既存顧客の満足度向上(40.7%、前年比+0.4%)」となり、トップ3は昨年調査と同じ結果に。
しかし、「販売する商品の開発」は2013年比で+8.8%と伸びてきており、3番目の「既存顧客の満足度向上」を抜く勢いに。昨今、大手メーカーからベンチャー企業まで、健康食品や化粧品などをECや通信販売で売ろうという動きが活発化し、売れる商材の開発が急務となっていることがうかがえる。
一方、「携帯電話、スマートフォンの活用方法」は2013年比で-7.0%と年々スコアを下げている。この結果から、スマホの導入は世の中でのトレンドであり、「活用方法での悩み」は少なくなってきているが、「導入後のユーザビリティー」など、もう少し踏み込んだ部分での課題が浮き彫りになってきたといえる。
今回の調査は、2015年6月20日~22日に、楽天リサーチ保有の調査パネル(ビジネスパネル)で、年商規模3,000万円~100億円までの通販事業に携わるマーケティング・広告・宣伝、業務(受注、決済、配送、その他の業務)、情報システムの職種の、会社役員・社員・派遣社員・個人事業主を対象に実施した、アンケート調査をもとに集計された。