インターネット利用時間の長いサービスTOP3で比較すると、ゲームや動画を含む「エンターテイメント」、サーチやSNSを含む「サーチ、ポータルとコミュニティ」では、スマートフォンからの利用が約70%を占めていた。
一方で、ECサイトや価格比較サイトを含む「Eコマース」では、スマートフォンからの利用時間とPCからの利用時間が拮抗する結果となった。
次に「Eコマース」カテゴリのサービス利用者数TOP3サイトに着目すると、「ファッションサイト」や「大手ECサイト」は、スマートフォンからの利用時間がPCを上回った。「価格比較サイト」はスマートフォンとPCが同等だったが、「通販会社サイト」はスマートフォンからの利用時間が占める割合が36%と、PCからの利用時間が多いことがわかった。
スマートフォンからの利用時間がPCを上回っていた「ファッションサイト」では、女性若年層の利用時間が多くを占めていた。また、「大手ECサイト」や「価格比較サイト」では、他のサービスに比べてアプリから利用されている割合が多いという結果に。PCからの利用時間が多かった「通販会社サイト」では、中高年層の女性の利用が多くを占め、ほとんどの人がブラウザから利用していた。
ニールセン シニアアナリスト 高木史郎さんのコメント
「インターネット利用がスマートフォンへと移行している中、『Eコマース』全体ではPCから利用される時間が半分を占めていました。商品を購入する際には、じっくり商品を比較したりするためにPCを利用するという人が多いことが影響していると考えられます。
ただし、そうした『Eコマース』の中でも、一部のカテゴリではすでにスマートフォンからの利用が進んでいるものも見られました。例えば、『大手ECサイト』では他のサービスと比べて、スマートフォンからの利用時間のうちアプリからの利用が多くなっていました。一方、『ファッション』ではスマートフォンからのインターネット利用が活発な若年層の女性がブラウザから多く利用していることが要因となっていました。
『Eコマース』関連サービスを運営している企業にとっては、カテゴリ全体の動きの把握や競合他社との比較において、PCとスマートフォン、ブラウザとアプリそれぞれからの利用時間の違いや、ターゲット層の利用状況から、今後の方向性を考える必要があるでしょう。
また、今後のWEBサイトやアプリの開発においては、ユーザーに支持される情報や使い勝手を考える際に、ターゲット層を意識していくことの重要性が増していくと見ています」
今回の調査は、視聴行動分析サービスを提供するニールセンが、スマートフォン視聴率情報Nielsen Mobile NetView(ニールセン・モバイル・ネットビュー)、およびPC版インターネット視聴率情報Nielsen NetView(ニールセン・ネットビュー)のデータをもとに集計した。