博報堂買物研究所は、これからの生活者の購買行動を予測する「買物フォーキャスト2025」として、AIエージェントとともに進化する新しい購買行動モデル「DREAM」を発表した。同モデルは、AIエージェントの普及により進化する、リアルタイムでパーソナライズされた購買体験を体系化したもの。
同研究所は、DREAMモデルの構築にあたって、まず技術や社会トレンドに関する未来事象を分析した。その後、生成AIを活用して作成されたバーチャル生活者へのインタビューを通じて、商品購入までのジャーニーを具体化し共通点を探った。企業が同モデルをもとに急速に進化する生活者の購買体験に対応し、生活者とより豊かな関係性を築くための方針を示している。
「DREAM」モデルの5つのプロセス
生活者とAIエージェントが協働する新しい購買体験は、DREAMの5つのプロセスを通じて具体的に理解することができる。博報堂買物研究所が提唱する5つのプロセスは次のとおり。
Dialogue(対話)
生活者はAIエージェントと対話を重ね、自身の価値観やライフスタイルを共有。これにより、AIは購入履歴や検索履歴、対話内容から潜在的なニーズを発見し、生活者に合った提案を行う。
Recommended(推奨される)
対話で明らかになった価値観やニーズに基づき、AIが選択肢を提示。生活者はこれをもとに、自分に最適な選択肢を見つける。
Experience(体験)
商品を試用するリアルな体験に加えて、VRやARを活用した仮想体験も可能になる。「リアル+バーチャル」の融合により、購入前に商品の使用感や生活シーンへの適合性を具体的にイメージできる。
Assurance(確信/承認)
試用経験を通じて商品の特性を検証し、納得したうえで購入を決定。「リアル+バーチャル」の融合による体験プロセスが安心感を高め、後悔のない選択を可能にする。
Management(管理)
購入後は、AIエージェントを活用して商品の使い方を確認したり、メンテナンスを依頼したりできる。また近未来では、体験中の心拍数や視線データなどの生体情報、さらに購入後の商品使用履歴や感想をAIエージェントに共有することで、自分の嗜好や傾向をより深く理解できるようになると予想されている。これは次回のDialogue(対話)フェーズで活用され、よりパーソナライズされた提案につながると期待される。