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Salesforce、エンタープライズ向け新AIシステムを発表 Slackへの展開が可能

 Salesforceは、エンタープライズ向けとして初のデジタル労働力を生み出すプラットフォーム「Agentforce 2.0」を発表した。今回の発表では、AIエージェントのSlackへの展開、迅速なカスタマイズを可能にする事前作成済みスキルの新たなライブラリ、エージェンティック推論能力と検索拡張生成(RAG)が強化された。具体的な機能は次のとおり。

CRMスキル

 企業が独自に定めたルールにもとづいて見込み客を育成、また顧客との会議に参加して商談に関するフィードバックをリアルタイムに提供するAIエージェントを構築できる。

「MuleSoft」によるあらゆるアプリやワークフローへの対応

 組織内で使用するアプリやサイトを統合できる「MuleSoft」により、ビジネス全体で業務を遂行可能となった。「MuleSoft for Flow」を活用すると、あらゆるシステムをまたぐローコードワークフローを作成できる。事前作成済みのコネクタで複数システムのワークフローを作成することも可能。また、新しい「MuleSoft APIカタログ」により、Salesforce、MuleSoft、「Heroku」、外部サービス全体でAPIの表示、検索、管理が一元化される。

 加えて「MuleSoftトピックセンター」を活用することで、AgentforceのメタデータをすべてのAPIに組み込み、あらゆる接続ポイントを自動的にAgentforceのスキルやアクションに変換できるようになる。これにより、すべてのAPIがデフォルトで「AIエージェント主導型」となる。

「Tableau」スキル

 新しい「Tableau」のトピックとアクションにより、データビジュアライゼーションと予測分析が可能となる。これにより、AIエージェントの応答に対するより深い理解と、「Tableauセマンティック」を活用したビジネス上のコンテキストに沿った正確な回答を実現し、データアクセスのハードルを低減するとのこと。

Slackスキル

 「Agent Builder」で「Slack Actions」が利用可能になった。たとえば、プロジェクトの最新状況を要約してDMで送信したり、進行中のプロジェクトに顧客から変更の依頼があった場合に「Slack canvas」を更新したりするAIエージェントを追加できる。

「AppExchange」を通じたパートナースキル

 顧客はAgentforceをカスタムトピックやアクションで拡張できる。Workdayの「AI Employee Service Agent」など新しいタイプのエージェントから、Asymbl(英語)、Docusign(英語)、Neuron 7(英語)などのパートナーが構築した新しいアクションまで活用できる。

Agentforceが必要な作業に適したスキルを推奨

 Agent Builderは、Agentforceを活用して関連するトピックや指示を自動生成。既存のスキルやアクションのライブラリから情報を取得し、必要な作業に適した新しいAIエージェントを構築する。

Agentforce in Slack:AIエージェントと人が協力し合う場所

 Agentforce 2.0はSlackに導入可能。顧客ごとにカスタマイズできるデジタル労働力を業務が行われるダイレクトメッセージ(DM)やチャンネルに展開できる。Agentforce 2.0により、チームはAgentforceをあらゆるSlackの会話へ導入できる。

新しいSlack ActionsをAgent Builderに追加

 AI Agent Builderには、「canvasを作成」や「チャンネルにメッセージを送信」などの新しいSlack Actionsが備わっている。

エンタープライズ検索における会話のコンテキストを活用

 Agentforce 2.0により、AIエージェントはSlack上の会話データを利用できるようになり、Slack内での公開情報や許可された情報を利用することで応答やアクションの関連性を高められる。

Agentforce 2.0で複雑な質問に専門的な回答を提供しアクションを実行する

 Agentforce 2.0には、高度なニュアンスをともなう質問に対応するData Cloudの新しい機能によって強化された推論と検索が導入された。構造化データと非構造化データをビジネス固有のメタデータで補完し、複雑で多面的なリクエストに対してより正確な回答を提供可能となった。

高度なデータ検索よる推論の強化

 AgentforceのAtlas推論エンジンは、幅広いインタラクションの処理が可能となった。Data Cloudから関連データとコンテキスト固有のメタデータを抽出する前にクエリを精製することで、回答の精度が向上する。Atlas推論エンジンは自ら回答を評価し、「エージェントループ」と呼ばれる様々なツールやソースをループするプロセスを実行。ニュアンスを含む複雑なリクエストに対して、分析された回答やアクションをカスタムコード不要で提供できる。

より豊富なインデックスによる検索拡張生成(RAG)の強化

 RAGにより、Agentforceは非構造化コンテンツから関連情報を迅速に検索することが可能となった。Agentforce 2.0は追加作業なしで顧客企業のビジネス独自の慣習に適応。複雑なリクエストに対する回答の精度と関連性を向上する。また、Agentforceが質問へ回答するために取得した正確なソースは、インライン引用で示される。

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ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

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