インターネット上の集客サービスを展開するGMO TECHは、デジタルインファクトと共同で、国内MEO市場に関する調査を実施した。
MEOとは、店舗を運営する事業者が集客促進を図ることを目的に行う、地図検索エンジン最適化施策のこと。ローカルSEOとも呼ばれており、ユーザーが、地域属性と何らかの対象物とを掛け合わせた検索行為を行うときに、その検索意図に沿ったかたちで自社のコンテンツや情報を最適なかたちで提供をするための取り組みである。
同調査では、店舗を運営する事業者(以下、店舗運営者)がMEOを実施するために国内のサービス提供事業者に支払う費用の年間総額を「国内MEO市場」と定義し、市場規模の推計・予測を行った。
なお、同調査が定義するMEO市場は、MEO施策またはこれを内包するサービスに加え、SNSなども含む多様な情報チャネルのコンテンツ更新を一括して行うようなツールや、ツールを活用した運用支援サービス、あるいはこれらを用いたコンサルティングサービスなどに対して支払われる費用も含む。
2023年のMEO市場規模は190億円、2028年には306億円に伸長する予測
近年、ユーザーによる、Googleマップをはじめとする地図サービスでの検索(ローカル検索)行動が日常的に行われるようになり、店舗運営者が自社の店舗情報やビジネス情報を検索ユーザーから見つけられやすくなるための施策として、MEOへの注目が集まっている。
さらに、2020年以降はコロナ禍における店舗の営業時間短縮要請などにともない、Googleの検索結果に表示される営業情報の頻繁な更新などの情報管理の必要性が認識されたことをきっかけに、MEOの需要が急速に拡大した。
多店舗を運営する事業者においては、恒常的なオンライン上の情報管理を効率的に行ううえで、MEOは必要不可欠な施策であるという認識が広がりつつある。
2023年はコロナ禍を終え、インバウンド需要の高まりを背景に業績の急回復が見られる飲食や観光に関わる店舗運営者などからの需要が急増するとともに、小売、不動産などをはじめとした店舗を運営する業種業態の事業者全般に広がりが見られている。
これらを背景に、2023年のMEO市場規模は、前年比約1.2倍の190億円と推測される。
MEOは近年デジタルマーケティングにおける重要な施策として定着しつつあり、サービス提供側においては、大手事業者による本格的な市場参入が進む一方で、数多くの中小事業者による提供の広がりも進んでいる。
今後もMEO施策が店舗運営者を中心に重要なデジタルマーケティング施策として幅広く定着することにより、2028年のMEO市場は2023年比約1.6倍の306億円に達すると予測される。
調査概要
- 調査対象:国内MEO市場
- 調査時期:2023年4月から2023年6月
- 調査方法: Yext、CS-C、トライハッチ、プロモスト、コネクトム、SO Technologies、オルグローをはじめとする広告・マーケティングソリューション業界関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
- 調査主体:GMO TECH
- 調査機関:デジタルインファクト