メルカリが運営するリコマース総合研究所は、「アパレル消費とリコマース市場」に関する調査を実施した。同調査結果の詳細は、次のとおり。
アパレル購入におけるサマーセール利用動向
今年のサマーセールにおいて、「利用した/利用予定がある」と回答した人の割合は29.9%。42.0%が「利用しない/利用する予定はない」と回答した。長引く物価高や3年ぶりの行動制限がない夏を迎えるなど、セールに対して追い風の環境にもかかわらず「利用した/利用予定がある」割合は3割未満だった。この10年で「服を買う時は、バーゲンやセールを利用することが多い」人の割合は53.2%から47.4%に減少しており、昨今のセール離れの兆候がうかがえる。
サマーセールを「利用しない/利用する予定がない」理由TOP3は、1位「欲しいアパレルがないから」2位「既に夏物アパレルが沢山あるから」3位「買っても使う予定がないから」となった。
アパレル購入に対する意識
セール品を購入した際の意識は「安く買えて満足した」が57.3%で最多である一方、「デザインに満足した」19.0%、「品質に満足した」15.6%と、回答割合は2割未満に。 セールは価格への満足度が高いものの、品質やデザインに対する満足度が低い傾向がみてとれる。
42.7%が「特定の決まったブランドで買うことが多い」と回答。世代別では、Z世代が最多の56.2%と、Z世代は“失敗しない消費”を求める傾向からか、特定のブランドから購入する傾向があることがわかった。
アパレルの購入体験別にみる満足度の差
2,000円の買い物を、3つの異なお買い物体験で比較検証を実施したところ、「1. ファストファッションで2,000円のTシャツを購入し、1シーズン着て捨てる」に満足と回答した人は19.3%。「2. 6,000円のTシャツを購入して1シーズン着た後、フリマアプリで4,000円で売却し、実質2,000円でTシャツを購入したことになった」に満足と回答した人は40.8%。「3. 定価6,000円のTシャツがリユース品で2,000円で買えた」に満足と回答した人は47.1%がという結果に。
リユースを活用した、「2. 6,000円のTシャツを購入して1シーズン着たあと、フリマアプリで4,000円で売却し、実質2,000円でTシャツを購入したことになった」、「3. 定価6,000円のTシャツがリユース品で2,000円で買えた」の体験では、いずれもZ世代の満足度がもっとも高く、それぞれ61.2%、60.2%という結果に。
最終的に同等の出費(2,000円)でも、短期間で使い切るより「リセールバリューを考慮して買ったモノ」や「リユース品の購入」の満足度が高いことが判明した。
アパレル購入と情報リテラシー
「情報リテラシーが高い」と回答した人は、そうではない人と比べて、「セール品やアウトレット品を主に買い、定価ではほぼ買わない」「リユース品やレンタル品を活用している」「自分はよい買い物をしていると感じることが多い」と回答する割合が高い。また、リセールバリューを意識した買い物への満足度が高い傾向も明らかに。情報を収集・取捨選択することで、“定価で買う”以外にもリユース・レンタル品を活用するなど、“所有”“利用”に多様な選択肢があることから、自らの買い物に対する満足度も高い結果となった。
調査概要
- 調査時期:2023年07月11日~2023年07月12日
- 調査対象:全国の18〜69歳の男女
- 調査人数:1,030名
- 調査方法:インターネット調査